【認知症の歯医者通院】3つの問題点を解決する!


母の差し歯が取れた!

ただそれだけの話なんですが、「認知症」 が絡むと、こうも面倒なのか・・・という話です。

1.病院に行こうとしない

「認知症」では、定番の課題ですね。

「認知症の病院に行きたがらないんですが、どうしたらいいですか?」

この問題にぶつかる人は、日本で何十万といます。うちはここはクリアしたんですが、歯医者がクリアできません。理由は簡単で、

「車のリース期間が終わり返却したので、連れて行く足がない」

ためです。今までは車にさえ乗せてしまえば、こちらのもの。だまして病院に連れて行ったのですが、それができません。ひとりで行くかといえば、行きません。冬場で歩くのが困難というのと、病院がいやなのです。3日前にあるものをなくしました。

母: 「わたしの差し歯、どこにいったか知らない?」

わたし: 「この前は、この容器に入ってたけどないね。」

母: 「差し歯をいつも、瞬間接着剤で自分でつけてたんだけどな~」

わたし: 「え゛・・・・、まじで?」

このやりとりを3日間何回も繰り返したんですが、妹に聞くと1ヶ月前から騒いでいたようです。仏のような対応を、日頃心がけているわたし(笑)ですが、たまにはイライラします。でつい、キレ気味に、

わたし: 「どうせ自分で行かないんだから、ヘルパーさんにお願いするわ!」

母: 「歯医者ぐらい、自分で行ける!」

言ってしまったあと後悔するんですよね・・・・でも行くっていって行かないし、自分でできるわけがないし・・・・ウジウジと何度も言ってくるので、腹立つんですよね・・・

2.歯医者の予約を理解できない

差し歯が取れると、型を取りなおしたり、調整などして1ヶ月近くかかります。だいたい1週間おきに予約になるんですが、「認知症」 だと100%、次の予約をすっぽかします。

しかも、遠距離介護でひとり暮らし。わたしが不在の時は、やはり誰かが予約を教えてあげないと、絶対にすっぽかします。こんなところでつまずくとは、思ってもいませんでした。

3.訪問歯科という選択肢

訪問歯科や移動歯科というものがあり、これを利用しようと考えました。すると母が、

「訪問にするぐらいなら、自分で行く」

と。自分で行くわけがないんですが、家の前に訪問歯科の車が止まって、ご近所に見られるのがいやなんです。うちの母の認知症症状の特徴は、とにかく

「ご近所が気になって気になって、しょうがない」

被害妄想なんかも、だいたいご近所ネタばかりです。ほとんど交流もないのに、いろいろ妄想するので困ってます。ということで、グッドアイディアだと思ったこの案はボツです。

「歯はどうしても気になるので、認知症と言えど忘れない」

これが根本にありますね。起きた瞬間から気になるので、必ず歯の話題になり、毎日毎日聞いている方もいいかげん疲れるっていうパターンです。治療する以外に、この悪のループから脱出する方法はないです。

結果どうするかというと・・・

明日、ケアマネージャーさんに相談しようと思いますが、今考えているのは、

「ヘルパーさんに付き添ってもらって、病院まで行く」

というのを、ケアプランに組み込むという方法です。歯医者もそうなんですが、認知症外来のほうも遠距離介護なので、わたしが不在な事もあるんです。そのためにケアプランにまずは組み込まないと、ヘルパーさんにもお願いできないんで、そうしようかと思います。

病院までの移動方法ですが、

「公共機関の交通を利用する」

ってのがあって、バスやタクシーを使って病院までいかないといけません。費用がかさむんですけどね・・・本当はヘルパーさんの車で・・・が理想ですが、そうはいかないんですよね。たまにしか乗らない車を購入して、実家に置いておくべきか・・・遠距離介護特有の悩みです。

「差し歯がとれた」

ただこれだけのことなんですが、「認知症」が絡むと、こんなにも面倒なことになるんだ・・・という話でした。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか