【認知症】コウノメソッドを実践して1年が経過してよかったと思う4つのこと

2013年4月にコウノメソッドを行っている病院を見つけ、そろそろ1年が経過します。

認知症の母(70歳)が1年間でどう変化したかを、手書きグラフ で示してみました。

認知症状態
赤いグラフがわたしの実感値で、黒いグラフが何もしなかったらのグラフです。横軸が1年間の時間、縦軸が認知症の状態です。感覚的なもので実証するものはないんですが、イメージは右肩下がり。なんとか踏みとどまっているかな?という実感値です。

根拠は2つあります。ひとつはブログ右側で紹介している本の著者、川崎幸クリニックの杉山孝博先生が言う 『認知症をよく理解するための9大法則・1原則』?です。

「認知症の人は普通の人より、2倍から3倍のスピードで老化する」

この法則に当てはめればこの1年間は、2年や3年に相当する時間であったということです。3年分老化が進んだかというと、

「老化は進んでいるけど、かろうじて食い止めている。そこまでは老化してない」

と感じてます。2つ目に、長谷川式認知症スケールの結果です。

26点(1年前) → 21点 → 21点 → 28点(最新回)

約1年経過して、点数がアップしているのはひとつ驚きです。点数がアップしているのにグラフは右肩下がりなのは、やはり日常生活では改善しているとは言えないからです。点数アップの部分ではグラフは右肩上がり、でもそれを上回る日常生活の悪化で相殺して、やや右肩下がりという判断です。

前置きが長くなってしまいましたが、コウノメソッドを1年実践してよかったと思う4つのことはこちらです。

<よかったこと>
1.病院や医師だけでなく、自分でなんとかしようというマインドができあがった

このブログでも何度も出てきますが、「医患一体」 の精神はコウノメソッドを学ばなければ出てきませんでした。コウノメソッドの一文に、

「未開な分野である認知症に立ち向かうため、医師と患者家族は、同じ教材を学ぶ必要がある。世の中でもっとも認知症を知らないのは医師である」

というのがあります。この考えをベースに持っていないと、「あの病院に何回行っても、よくならない」 ってなりますからね。これは医療だけでなく、ケアマネさんやヘルパーさんに対しても同じことです。

介護している人の集まりに参加すると、「医者はどうも上から目線でだめだ」 とか 「担当ケアマネは何もしてくれない」 という発言ってよく耳にします。「いやいや、自分の努力も必要でしょ!」 と言いたくなりますが、実際声に出した事はないです(笑)

2.コウノメソッド講演会で映像として、他の人の認知症の状態を見ることができた

コウノメソッド講演会に偶然、参加することができて、他の認知症の人の状態を見ることができました。(前記事:認知症を深く知る・コウノメソッド講演会に参加してきました! を参照してみてください。)フェルガードを飲んでどう変化しているかを、動画で見られたのは大きかったです。ここまで改善する人もいるんだなぁ~ という、コウノメソッドの効果を見せつけられました。

3.薬レミニール4㎎で過剰反応を示してたので、アリセプト5㎎を投与されていたらやばかった

母に対しての薬の投与です。最初のかかりつけ医に言われたのは、「わたしは薬を出すくらいしかできませんから」 でした。あの病院にもし通っていたら、無勉強な医師のアリセプト攻撃をきっとうけていたんだろうなと。コウノメソッド実践医に通っている現在は、過剰に薬を出す事もなく、いつも微調整してもらっています。

4.米ぬかサプリ 「フェルガード」 だけで効果あり

3.に関連して、レミニール4㎎という薬の服用を止め、サプリメントのフェルガードだけで過ごした時期が半年近くあります。レミニールでは過剰反応を見せたのが、落ち着きました。すごく改善したわけではないんですが、現状維持できた期間がありました。

”目に見える大きな改善”  をどこかで期待はしてしまうんですが、そもそも根治が難しいのが認知症。「現状維持」 が今のところ最高の改善 だとわたしは考えているので、そういう意味で1年に渡るフェルガードの服用はコストはそれなりにかかってますが、薬漬けのマイナススパイラルにもならずよかったと考えています。

若干右肩下がりで1年が経過しましたが、2年目はなんとか平行線に持っていければなぁ~ と思っています。コウノメソッド以外の部分(介護)での努力が必要なんですよね、本当は。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか