遠距離介護とはじめての認知症

母(69歳)の認知症についての話です。

認知症がいつから始まった?と聞かれると、とても難しいです。たぶん1年半ぐらい前かな、そんな感じです。わたしが実家に帰省するのは、だいたい年2回というのが今まで。認知症の人と過ごした方ならわかるかと思いますが、短時間では判断できないんですよね。最低1日単位で話してみると、あきらかにおかしい事が分かってきます。

■最初は妹からの連絡で
最初は母と同じ県に住む妹から、『なんかお母さん、最近変だよ?』 と。東京で働く私も、最初はとくに取り合う事もなくスルーしてました。何回かそういうメールをもらうようになって、最初は実家に帰る回数を年2回から4回に増やしてました。それでも短時間しかいないので、あまりおかしい感じもしませんでした。

でも気にはなっていたので、このリンク集でもご紹介した 認知症110番 へまずは相談しました。たまたまネットで見つけたのですが、今思えばこの出会いが大正解!その後病院や県の認知症センター、公共機関などに聞いてみるのですが、正直いうとわたしが求めている回答ではなく・・・。こちらの認知症110番はとても頼りになり、未だに困ったら電話するようにしています。

認知症110番のサイト ↓
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回数を増やして、滞在時間を増やしてみると、やはりおかしい事に気づきます。最初の頃は、やはりリピートですね。同じ質問を何回も、しかも短時間の間にしてきます。祖母もちなみに認知症なのですが、こちらは進行している認知症です。ここまで来るとあきらめがつくのですが、母の場合は認知症の初期なので、とても難しいところでした。

■一番最初に学んだ認知症で大切な事は
『認知症患者は記憶(特に直近の)は残ってないけど、感情だけは残る』 
『家族が怒ったりすることで、さらに認知症は悪化する』

ということです。母に同じ事を何回も何回も言われると、ついですが 『それもう10回目なんだけど、分かってる!』 って強い口調で言いたくなります。本を読んだり、この認知症110番で初期の段階で家族としての対応方法を勉強していたので、毎回初めて聞いたような対応をする ように早い段階からできました。

妹も叔母も、やはり最初は怒ってました。『それさっきも質問したでしょ!』 『もう分かったから、同じこと何回言うの!』 という感じです。ただ家族としての対応の仕方について、上記を伝えてから穏やかに対応してくれています。

遠距離だとどうしても分かりづらいのですが、こればっかりは ”数日間一緒に生活してみる” 必要があるとわたしは思います。身近な人ほど、認知症の症状は強く出る といいます。身近な人=家族ですから、実家が遠い人も認知症かな?って思ったら、数日間一緒に生活してみてください。お医者さんでも判断できないことは多いです、ここだけは避けて通れない部分です。

このブログの目標がひとりでがんばらない! 人に頼る! なので、少しずつ自分以外の人を使った介護についてお話します。でも、最初は自分で認知症の判断をしてください、しつこいですけどお医者さんも見抜けませんよ。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか