シャルコー・マリー・トゥース病とは?

わたしの母はタイトルにもある、シャルコー・マリー・トゥース病(通称CMT)です。

ほとんどの人が知らない、この病気。なぜこの病気が分かったかというと、2007年に別居中の父親が脳梗塞のリハビリをしている時期と重なりますが、母がどうも歩きづらさが増しているということで、一度病院で見てもらおうということになり、検査入院しました。その際の診断で、初めて病名が分かりました。

この病気なんですが、末梢神経が損傷し、神経の伝達信号が末端(手や足先)まで届かなくなるんです。そうすると、筋肉を動かす事ができなくなるので、手や足の筋肉の機能が低下して、委縮していきます。下の写真のような足の形になっていきます。母は手の平の肉も、通常の人より少ないです。

Charcot-marie-tooth_foot
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 3.0 非移植 ライセンスの下に提供されています。

母は現在69歳なのですが、小さい頃から周りとの違いには気づいていたようです。スリッパが脱げたり(足先に力が入らないので、スリッパを足でキープできない)、体育の時間に行進をすると、なぜかひとりだけ内側によれてしまう でもその理由が分からぬまま、60代に突入。現在では家の中はかろうじて歩けるものの、外への外出は自転車を杖として、歩いている状態です。昔はこんな病気分かるはずもなく、かなり不自由な環境だったと思います。

ひとりで外出する際は自転車、わたしと外出する時はわたしを杖にして歩きます。仲のいいカップルみたい?に歩くのですが、わたしの腕をつかむ母は微妙に震えがあって、それを感じとる事ができちゃうんですよね・・・仲むつまじい親子ってことで(笑)

残念ながらこの病気は治りません、病気の進行もゆっくり進んでいますが、数年先は歩けているかどうか・・・さらに認知症だったりします。よくないなぁ・・・って思っているのが、CMTで外出が困難 → 外出しないで家にいることが多い → 人とコミニケーションをとらない→ 認知症が悪化 というスパイラルです。

買い物の際もレジでお金を出す際に、手先がうまく動かないので早く処理するために1万円を出します。これがまたよくなくって、お金の計算をしなくなるため、認知症的にはよくありません。そして、おつりがいろんなところから出てきます。ポイントカードも手先が不自由で、うまく出せません。

CMTの方のブログ、CMT友の会など、ネット上にあるわずかな情報を集めつつこの病気ともつきあいながら、認知症も見ないといけません。たまたまどちらも神経内科で共通しているので、ラッキーと言えばラッキーです。

この病気がきっかけで要介護認定され、要支援1でした。これに認知症が加わったため、要介護1までランクが上がって現在に至ります。認知症には有酸素運動が!っていう事がよく言われますが、わが家の場合はこの選択肢がこの病気のせいでできません・・・でも、どうしようもないので、この条件下でできる事をやるまでです!!


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか