祖母の1周忌で思い出した 「認知症の幸せのループ」 のはなし

11月4日は亡くなった祖母の1周忌。写真や動画を撮ったわりには、全く整理ができていませんでした。

こちらの写真を見ながら、ある事を思い出しました。

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それは「認知症 “同士” の幸せのループ」 です。

この写真は、亡くなった祖母と母が自分達の若い頃の写真を見ながら、病室で談笑しているものです。この1週間後に祖母は亡くなるのですが、この時は全く予想してませんでした。

なぜ病室に写真を持っていくかというと、回想法(過去を思い出してもらって、精神状態を安定させる)をするためと、会話に困った時のためのツールです。

写真があると、写真の数だけエピソードがあるので、話題が次々と変わるのです。(認知症便利ツールとして、加えようかな)

でも、祖母も母も認知症。放っておくと、1時間の間に同じ話を何度も何度もします。聞いてるわたしはというと、

「この話題、もう5回もやってんだけど・・・」

と思うわけですが、当人同士は面白いほど幸せそうなんですよね。同じエピソードトークをして、同じところで笑って・・・

当時は何だかな~ と思いながら、聞いているのがつらくなったら病院の支払いに行ったり、病院のソーシャルワーカーさんのところへ行ったりしてました。

今この写真を改めてみると、

「おんなじ話しかしてないけど、当人同士は幸せだったんだろうな~」

と。認知症の幸せのループが完成してたんですね~ 祖母は性格がきつくて、絶えず母娘はけんかばかりしてたんですが、わたしが介護してた1年近くは驚くほど穏やかだったんですよね。

2人同時の介護はなかなか大変でしたが、あの当時の大変さを思えば今はかなりラクだなぁ~


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか