両親や祖母の記憶が薄れる前に「エンディングノート」に残すことの大切さ

エンディングノート もしもの時に役立つノート

ブログでやたらと力説しているのが、

「認知症の人の意思は、1日も早く確認して!」

本人のどんな意思を確認するかというと、介護の方針、告知や延命治療の方針、葬儀の方針の3つです。祖母を亡くした時に痛感したのが、

「あぁ・・本人の認知症が進行する前に、どうしたいか聞いておけばよかった」

という後悔でした。子宮頸がんで余命半年の告知を受けた時も、

「これ、伝えなくていいよな・・・たぶん」

と自分で勝手に判断したし、お医者さんに

「もしもの時に延命措置をするか、回答お願いします」

と言われた時も、娘2人に延命措置はしないという確認は取ったものの、本人はどんな形でも延命して欲しかったかもしれない。

葬儀だって勝手に親族を呼んだけど、呼んで欲しくない人もいただろうし・・・とにかく自分で判断するって思った以上に大変です。

エンディングノートの大切さ

これをまだ物事の判断がつくうちにエンディングノートに残しておけば、介護者はその通りに事を運ぶだけでいいので、かなりラクです。日々の介護疲れというのはありますが、

命に関わるような重要な局面で、本人の意思なく自己判断する

ってのは、想像以上に疲れるんですよ・・・ホントです。そしてその判断でよかったか?って、亡くなったあとでも振り返ったりするんですよ。きっと介護をメインでやっている人は、流れで喪主もやらされたりしますから、喪主も決めておかないと大変です。

もしもの時に

亡くなって病院から遺体を運び出す時間って、ホント悲しむどころか流れ作業ですよ。祖母が病室で使ってた洋服タンスを、看護師さんがわたしの目の前に持ってくるんですから。ここから早く荷物引き上げてと言葉には出さずとも、おんなじことです。

だから、母には年1回、祖母の亡くなった日が来たら意思の確認をしています。エンディングノートを用意しとくだけで、こういう苦労からすべて解放されるんで、やたらと力説してるんです!介護と同じで、死も突然来ますからね・・・準備しておけば、ホント苦労しません。

今回エンディングノートの内容を再確認したんですが、昨年と同じでしたね。具体的にどういう事を確認するのか、いくつか例をご紹介しますね。

告知・延命措置について

・告知はしないでほしい
・延命よりも苦痛を少なくすることを重視して決めてほしい
・臓器提供や献体はしたくない

これが母の希望です。エンディングノートに選択肢がいくつかあるのでチェックしていくだけなんですけど、母はピック病でアンケート系は暴走してチェックしちゃうんで、わたしがひとつひとつ読み上げて、ゆっくりやってます。

介護について

・介護の費用は自身の預金から
・最終的には病院や施設に入りたい(どうしようもなくなるまでは在宅で)

子のお金は使ってくれるなという、理想的な親です。こんなに帰ってこなくていいとも言ってくれますが、帰ると何かしらプチ事件が起こってます(笑)

葬儀について

・葬儀はできるだけお金をかけないで、家族だけで
・喪主はわたし(40kaigo)がやる
・告別式とかいらない、家族で密葬と火葬のみ
・棺には舟木一夫のCDを入れる
・戒名にはこだわりはない
・出て行った夫は葬儀に呼ばない

最近若い喪主さんが増えていて、わたしも40代ですが若い方と言われました(笑)お葬式の準備はやったことないと本当に混乱するので、エンディングノートと同時に葬儀屋さんも決めておいた方がいいですよ。

病院で亡くなった時に、かなり早い段階で 「葬儀屋さんは決まりましたか?」 と聞かれて、タンス持ってこられるぐらいひきましたから・・・決めてましたけどね。

いろいろエンディングノートを検討したんですが、結果こちらが分かりやすくて親しみやすいのでうちはこちらを使ってます。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか