場数を踏んで、時短術を身につけた。
何の話かというと、便失禁の対応です。1年前に書いた自分のブログを読むと、母の便失禁対応に右往左往していたことが分かります。
母にあたる自分にイライラしながら、ストレスのかからない方法をひたすら模索して、処理を続けていたのだと思います。1年ほど試行錯誤したおかげで最近はルーティーン化され、ほぼノーストレス、短時間で処理が終わるようになりました。
便失禁対応のルーティーン
ルーティーンを文字でまとめてみたのですが、何も特別なことはやっていません。なんだそんなことかと思われる内容ですが、ここに至るまで百回以上の便失禁処理をしています。
- 母がトイレに行くとき、「大か小か」を聞く
- 「大」と答えたら、迷わずトイレに一緒に入る
- リハパンがすでに便で汚れていたら、わたしがリハパンやズボンを脱がせる
- 母に用を足してもらうまで、トイレの外でしばらく待つ
- 終わったかどうか声掛けをして、ウォシュレットのムーヴ機能で陰部洗浄
- 母を少しだけ便座の前に移動させ、後ろに回っておしりふきで拭く
- リハパン、ズボンを上げる
母はトイレを自立できていると思っていたことが間違いでした。
たとえば母がトイレに入って、便で汚れたリハパンを自分で何とかしようと思ってもできません。対応中に便が手についてしまって、トイレの壁やズボンなど便の被害がどんどん広がり、わたしが洗濯や掃除を何度もしました。
こんな面倒なことは二度とやりたくないと思いながら、上流の工程で対策すればいいと考え、処理時間の短縮につなげていきました。
またウォシュレットのムーヴ機能が、陰部洗浄にこんなに役立つとは思っていませんでした。これって、介護のために開発されたの? と勘違いするほどです。母は肛門括約筋が衰えていて便のキレが悪いのですが、ウォシュレットの刺激で残りの便も出ます。
またリハパンを交換する場所を、今さらですがトイレの中でやるようにしました。トイレを避けていた理由は、寒さです。実家のトイレは、外と変わらない寒さなのです。
対策としてトイレのそばに灯油ファンヒーターを置き、母をトイレに誘導する前に暖めたり、リハパン交換中もヒーターをつけるなどしています。
今までは母に「おしっこ出る?」と聞いて、「出ない」という言葉を信じて、リハパン交換中に失禁。居間やキッチンの床を何度も汚して、掃除を繰り返していました。トイレに座らせておけば、いくらやってもらっても大丈夫です。
母がひとりの時はどうする?
遠距離介護なので、母がひとりの時はどうするのか?
母はほぼ毎日デイサービスに行っているので、日中は問題ありません。問題は夜ですが、この状況をデイの方も分かっているので、デイから戻ってくる直前にデイでトイレを終わらせて自宅に帰ってきます。
完璧とは言えませんが、仮に派手な粗相があったとしても、翌朝ヘルパーさんにカバーしてもらいます。ヘルパーさんの負担が増えない対策として、看護師さんに週2回は浣腸をお願いしています。
これは母の便が大量につまって、迷走神経反射でトイレ前でぶっ倒れたことから始まったわけですが、週2回は強制的に便を出しているので、以前ほど派手な便失禁はなくなり、ヘルパーさんの負担も減りました。
小さな困りごとをひとつひとつ解決していたら、全部が線でつながって結果として全体が効率化されたわけです。慣れもありますね。
場が人を育てると言いますが、数えきれないほど便失禁対応を経験したおかげでストレスフリーになりました。プレゼンの回数をこなすと緊張しなくなる、あの感じに似ています。便とプレゼン、全く関連性はないのですが。
今日もしれっと、しれっと。
2025.12.13(土) 出版記念イベント開催!
11/17(月)『工藤さんが教える 遠距離介護73のヒント』(翔泳社)の発売を記念して、12/13(土)朝10時から、東京・品川にあるフラヌール書店(不動前駅)とオンラインのハイブリットで出版記念イベントを行います。ブログや音声配信では絶対に話せないリアルな介護の話を、たくさんします。オンライン参加は顔出し不要、匿名参加OKです。気軽にご参加ください!介護の本屋「はるから書店」




























コメントを残す