遠距離介護をしていて思う 「地方へのイメージ」 の違い

デュアルライフ

東京と地方都市のデュアルライフ、もうちょっとすると4年目に突入します。デュアルライフというと、東京と沖縄や日本とハワイなど住拠点を2か所に持ち、優雅に過ごすイメージがありますが、わたしのは介護デュアルライフ。

遠距離介護も 「デュアルライフ」 って言葉に変えたら、少しかっこよく見えるなぁ・・・とかどうでもいい事を考えながら、往復しています。

そんな往復の中で、一般的な地方へのイメージとなんか違うなぁ・・と思う事をまとめてみました。 故郷は好きで、歳を重ねるほど好きになってます。10代で上京してすぐ、TOKYO WALKERを買って東京中のスポットを回ってましたが、今は故郷にオープンするお店巡りを母としております。

あんたと行くお店、さっぱり覚えられない・・・

月1回の通院の際は100%外食に行きますが、わたしはお店の新規開拓もやってますので、そりゃ覚えられなくて当然です。地元紙をチェックしながら店決めしてます。病院に行くというと、母も少し緊張するみたいですが、「そのあとの外食のほうが大切でしょ!」 というと、「そうねー」 と言うので、外食はいい緊張緩和になってます。

地方の人は 「やさしい」 というイメージ

外食でお店を回っていて思うんですが、たまに驚くほどサービスレベルが・・・というお店に出くわします。おそらくお客さんがほとんど来ないので、接客レベルが向上しないんでしょう。やさしいどころか、あまりのつっけんどんぷりに引くことも。

「地方の人はやさしい」 というイメージでお店に行くもんだから、ギャップでショックが大きいんですよね。東京の人は冷たいとか、地方だからやさしいとか、場所はあんまり関係ない気がします。

東京での細やかな気遣いに感動することもしょっちゅうあります。場所に関係なくやさしい人はやさしいです。

地方は「物価が安い」というイメージ

地方は家賃 ”は” 安いなぁ、これは本当に思います。家やマンション価格もかなり安い。でも、食料品って、イメージほど安くない・・・東京の方が安いことも多々あります。

特にスーパーで、野菜や果物を購入するときに感じます。あれ?地方の方が物価は安いっていうけど、そうでもないなって。でも、産地直送コーナーみたいなところがあるスーパーは、その野菜だけはめちゃ安いって感じます。

母は 「東京は物価が高いから、大変でしょ」 「やっぱりこっち(地方)は、いい人が多いわ」 といつも言うんですが、実際両方で生活してみると、そんなに差はないなといった印象です。

よく聞かれる質問で、「会社を辞めるとき、お母さまとの同居は考えなかったのですか?」 というのがあります。いや、考えたことないですね。夫婦共々、東京を拠点に今後も生活したいですし。

同居に近い状態がいつか来るかもしれませんが、それまではこのデュアルライフは続けていきたいです。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか