介護と仕事を両立している人も、介護離職者も、自身の介護を積極的にオープンにしないため、その現状を知ることができません。
特に介護離職した人は、社会というレールから降りたことに孤独を感じ、他の人をうらやましく思ったりもして、とても自分のことを話したいという心情になれません。
わたしへの取材依頼のほとんどが、この「介護離職」です。「おっ、自分のことをオープンにしている変わり者の介護離職者がいた!」そう考え、マスコミの皆さまが連絡してきます。それだけ、介護離職した人の声を集めるのは、とても難しいのです。
2016年5月27日に発売になった「介護離職しない、させない(毎日新聞出版)」本の著者、和氣美枝さんも介護離職者。32歳から始まったお母さま(アルツハイマー型認知症・要介護3)の介護は、13年目に突入しています。
和氣さんが普通の介護離職者でないのは、働く介護者おひとり様ミーティングを開催したり、2016年1月に一般社団法人・介護離職防止対策促進機構(下記が公式サイト)を立ち上げたことです。介護離職して、ここまでやる人は他に知りません。
そんな方が書いた本ということで興味津々、早速読んでみました。
介護離職の実例を最も多く学べる唯一の本
総勢14人プラス和氣さんご本人を加えた15人の実例が詰まっています。介護離職の本って、実はほとんどないんですよ。わたしも少し書きかけたのですが、ネタが枯渇してしまい諦めました。
介護離職してしまった人、介護と仕事をうまく両立した人、介護というイベントを利用して転身した人、あらゆるパターンが網羅されています。ミーティングを主宰し、リアルの場で悩みを聞き続けないと、この人数はなかなか集められません。
働く介護者の事例をたくさん知っていればいるほど、今後自分が介護者になったときに有利に働くことでしょう。
引用元:介護離職しない、させない
これ、本当にそうです。いろんな方が登場するのですが、5人の子どもがいるシングルマザーの方が、在宅介護に月30万かけてる話とか、介護離職したあとで大学院行っちゃう方の話とか人生いろいろ、詳しくは書けませんが世の中こういう方もいらっしゃるんですよね。
それぞれの体験談に和氣さんのコメント、ご自身の介護と照らし合わせてみるという感じで、本は展開していきます。読みやすい本です、わたしは1日かからず読み終えました。
介護と仕事を両立されている現役の方はもちろん、これからなんとなく介護が始まるかも・・・と思っている人が、一番読むべき本だと思います。なぜなら、多くの人は「わからないことがわからない」からです。このコトバの意味を、本を読んで体感して頂ければと思います。
今日もしれっと、しれっと。
いつも興味深いお話ありがとうございます。
なかなか難しい問題が日本には山積みですね。
保育士不足、介護士不足。そしてハード面の不足。
わたしも将来的には親と生活していきたいです。
くどひろさんほどの距離ではないから、、可能だなとも。でも、、そういう事をもう少し若い段階で選択してれば、やれる事は色々あったなーと思います。
たくさんの情報から、自分が選ぶ道、親が選びたい道を少しでも自己決定できるようになりますように!
何事も、知る事が大事ですね!!
hitominさま
コメントありがとうございます!
おっしゃるとおり、何事も知ることが大事だと思います。この本を読んで、いろんなカタチがあることが分かりました。みなさんがんばっていらっしゃいますね。