11月8日(火)から11月13日(日)まで、東京・渋谷ヒカリエをメイン会場とするイベント「超福祉展」が開催されています。2年前に1度参加したのですが、わたしが「しれっと」と言い出したきっかけがこのイベントです。
障害、福祉、LGBTなどを取り扱うのですが、講演で教えてもらったフランス映画「最強のふたり」は、その後の介護姿勢に大きな影響を与えました。そのときの記事がこちら。
しばらくして映画を見て感銘を受け、主人公の黒人男性ドリスの介護が「しれっとしてるなぁ」と思ったことから、「しれっと」と言い出しました。今ではわたしを「しれっとさん」という人や、「しれっと介護」で検索してブログにいらっしゃる方もいるほどです。
元NHKアナ堀潤さんのラジオJ-WAVEで超福祉展の話をしていて、急に興味を持ったので行ってきました。
#jwave JAM THE WORLDで認知症と向き合う社会のあり方を語ってくださいました。須藤シンジさん!ありがとうございました!!来週8日の「超福祉展」楽しみです! pic.twitter.com/7sfT7X6ZDf
— 堀 潤 JUN HORI (@8bit_HORIJUN) 2016年11月1日
超福祉展の「大学生による認知症プロジェクト」とは?
青山学院大学、専修大学、慶應義塾大学大学院、オランダのデルフト工科大学の学生さんが、川崎市・渋谷区と連携し、認知症に対する理解を深めて課題解決をするというプロジェクトです。
認知症を語る大学生=社会福祉学部というイメージを持たれるかもしれませんが、経済学部や教育人間科学部など、介護や福祉とは関係ない学部がプロジェクトに参加しています。要は認知症とは縁遠い学生さんたちが、認知症について考えたのです。そこがすごくいいと思いました。
今回のプレゼンは中間発表で、来年2月にオランダで最終発表、4月から川崎市と渋谷区で実践するそうです。皆さん面白い発表だったのですが、わたしが一番面白いと思った大学が専修大学でした。
専修大学が考える認知症の課題解決とは?
専修大学の2つの発表は、全国に800万人いる認知症サポーターを活用したものでした。
1グループは、徘徊する認知症の人に光る靴を履いてもらって、それを近くに居る認知症サポーターに知らせるというもの。もう1グループも、認知症ご本人が作ったブレスレットに、同じようにお知らせするというものです。
専修大学の皆さんとマイクを持つ渋谷区長さん
わたしも認知症サポーターの証、オレンジリングを持っています。今年は5回ほど登壇したのですが、オレンジリングを着けたのはその時だけです。認知症サポーターになるには、市区町村で行っている簡単な認知症講座や認知症カフェに参加します。すると、オレンジリングを無料でもらえます。
おそらく95%以上の人は、身に着けることなく、家のどこかで眠っているでしょう。たまに介護職の方や、認知症カフェでオレンジリングを着けている方を見かけますが、街では見たことがありません。誰が認知症サポーターかは不明・・・専修大学は、ここに目を付けたところがすごくいいと思いました。
このブログ(SNS)でもご紹介した下記2つのニュースは、すごくコンセプトが近いので、連携するともっと面白いと思います。ALSOKの「みまもりタグ」の考えとほぼ同じですし、先日アプリ甲子園2016で優勝した高校生も光る靴のお話をしていました。
専修大学の他のグループも、こんな発表をしてました。
- 大学生向け認知症サポーター養成講座の講師に、若年性認知症の方がなる
- 大学生と認知症の距離を縮めるプログラムやカフェの実施
- 異性が多機能トイレに入ると変な目で見られるので、介護中ランプをつける
いいですね~ うちのデイも、高齢の利用者さん、体の不自由な若い方、地域の小学生もいます。多世代交流は、母を見ていても刺激になるようです。同世代の認知症高齢者だけで集まるより、絶対にいいです。
単発プロジェクトではなく、実現&継続が理想ですが、皆さん卒業しますからね・・・社会人になって、別の業界の仕事に就く皆さんだと思いますが、40歳過ぎた頃に急に介護が脳裏をかすめると思うんです。そんなとき、わたしのようにゼロからの出発ではなく、少しでも知識があるとだいぶ介護スタートは違うと思いますよ。
どの大学も面白いことを考えていて、広く認知症の理解が深まっていいですね。超福祉展は、14日(月)まで実施していますので、興味がある方は足を運んでみてください!
今日もしれっと、しれっと。
コメントを残す