認知症介護する人はやはり「家族のたどる4つの心理的『神』ステップ」を知っておくべき!

4つの心理的ステップ

先日、ドラえもんの声でおなじみの大山のぶ代さんの夫、砂川啓介さんと、川崎幸クリニック院長・杉山孝博先生の講演会に行ってきました。

参加した人の多くは、砂川啓介さんの講演(大山のぶ代さんの認知症の話)を聴くために参加されたと推測しますが、わたしの目的は初めから杉山孝博先生でした。

砂川さんご自身(79歳)はがん闘病中で、抗がん剤での治療をされています。この講演のために体調を整えて参加されたそうで、それだけですごいと思いました。わたしは、砂川さんの本は読んでないのですが、出版された時期が前作と同時期だったため、たまに隣同士で本を陳列している書店さんもありました。

ライターさんが書いたものかな?と思っていたのですが、ご自身が奥さまの認知症の様子を、焼酎のみながら日記を書いていたんだそう。それをまとめて、編集して完成したらしいです。なるほど~

改めて思う認知症介護の「神」ステップのすごさ

認知症介護が始まってすぐに出会った、杉山先生の「家族のたどる4つの心理的ステップ」、そして「認知症をよく理解するための9大法則・1原則」。まだ認知症の対応方法が分からなかったわたしは、なんとなく目を通しただけでしたが、母や祖母が示す症状を目の当たりにするたびに、先生の話と照らし合わせて、あ!これだ!と。

妹にもこれを読んでもらって、わが家では介護初期から怒鳴ったりすることなく、また認知症にとまどったり否定する期間も相当短く、ここまで来ました。わたしにとっては単なるステップではなく、「神」ステップと思っているので、本にもコラムにもよく引用させて頂いてます。

このステップに似たものを、ある本でたまたま見つけました。7/1発売の自著には、そういったお話も含まれています。どこかで人間は、必ずこのステップを知ることになるのです。

そんな杉山先生が何を話すのか・・・そう思って参加したら、まさかの「家族のたどる4つの心理的ステップ」の話でした。普通なら「知ってるわ~、これ」となるところですが、わたしは

くどひろ
先生の声で、4つの心理的ステップが聞けた~

なんでしょうね、この感覚。講演を聞こうと思ってもタイミングが合わず、3年以上経過していたので、やっと聴くことができたという感じです。そして、少しだけ心理的ステップがパワーアップしていました。

ステップの特徴が一言で示されてました、読んでみても納得です。家族介護されている人の中には、何年経っても第2ステップ止まりの方が多くいらっしゃいます。いつまでも怒って、混乱している介護者です。早く第3ステップに行って!じゃないと自身が疲れるから、といろんなところで書かせて頂いてます。

今後、認知症介護でこういうステップをたどることが分かっているなら、さっさと割り切りましょう、早くラクになりましょう!こればかり訴えてます。一定の時間はかかります、そう簡単に割り切れるものではありません。ただ、2年も3年も介護者が怒ってたら、認知症ご本人の症状も悪化の一途です。自分にも認知症ご本人のためにも、「早く」割り切れるよう努力することが大切なんですよね。

杉山先生は家族の会の副代表理事ということもあって、医師でありながら、視点が介護者目線なんです。医師の認知症講演を聴くと、必ずどこかで意味が分からなかったり、キョトンとする場面があるのですが、杉山先生のお話は分かりやすいです。

「あ~、あるある。分かる分かる」

「いい意味で」医師っぽさがない、分かりやすいお話でした。配られた資料に、こんな原則も紹介されていました。

認知症の人の激しい言動を理解するための3原則

第1原則 本人の記憶がなければ本人にとっては事実ではない
第2原則 本人が思ったことは本人にとっては絶対的な事実である
第3原則 認知症が進行してもプライドがある

本当にそうなんですよね。でも、認知症の方以外も、実は同じです。どんな人でも何かを否定されたら、全力で自分を守ろうとしませんか?人は何かを否定されたら、すべてを捨てて全力を守ろうとする・・・このフレーズ、確か「人を動かす」という名著にあった気がします。

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか