60秒で認知症が分かる絵本「フレディの遺言」の感想、書評

フレディの遺言

先日、認知症カフェに行ったんですが、その認知症カフェにあった「絵本」がとてもよかったので、ご紹介します。

その本は「フレディの遺言」。著者はフレディ松川さんという、医学博士です。老人の専門医療を考える会の幹事でもあるフレディ松川さんと、イラストレーターであるこころ美保子さんのタッグで書かれた絵本です。

フレディの遺言は2部構成

”フレディの遺言” と ”フレディのアドバイス” (家族がボケたときのために 自分のボケを防ぐために)の2部構成で、最初の”フレディの遺言” の部分が絵本で、こちらがわずか60秒で読み終わります。

後半は文字が多くなって、具体的なアドバイスが書いてあり、こちらは60秒とはいきませんが、30分かからずに読み終えることができます。

60秒で読み終わるこの絵本ですが、巻末に全文が ”絵なし” で載っています。これがたったの2ページです、全文が2ページなんですが、『この2ページに、認知症のすべてがつまっている』 と。

この本を読めば大丈夫!認知症の書籍ランキング・ベスト7とは? では、認知症介護の実践的な本を紹介してきたんですが、認知症カフェで行っていた啓発活動から考えると、実践的な本よりもこういったやわらかい絵本の方がいいんだろうなぁって思いました。

うちの甥っ子は、かなりうちの母に対して容赦ないんですが、この絵本を読んでもらえば、なんとなく認知症を理解してくれるかな? とも思いました。

この絵本に書いてある認知症の対応ができたなら、認知症ご本人はきっと幸せなんじゃないかなぁ~ そう思える内容です、絵もとてもかわいらしいです。

どっぷり介護をしていると、どうしても実践書に行きがちなんですが、たまにはやさしい絵と言葉で認知症を俯瞰的に見るのもいいなぁ~ そんな想いで認知症カフェで読みました。

フレディの遺言

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか