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認知症介護している人だけに与えられた特権を使って人間としての成長を遂げるコツ

認知症介護 成長

みなさんは日常生活において、こんな経験ありませんか?

  • 余計なことを言って、相手を傷つけてしまった
  • 言わなくていいことまで、つい言ってしまった

一度発してしまったコトバを、ひっこめることはできません。

どんなに後悔してもその失言は消えず、人間関係は最悪になり、距離がどんどん離れてしまいます。いつか謝ろう、許してもらおうと思ってはいるものの、自分のプライドが邪魔してなかなか謝ることができない・・・気づいたらもう3年が経過して、未だに仲が悪いまま、なんてことありますよね?

職場、親子、兄弟、友人同士などいろんなところでギクシャクした関係が生まれては、そのまま放置されているというケースはたくさんあります。

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久々に認知症の母にプチギレてしまった

先日、久々に母に対してブチギレならぬ「プチ(ぷち)ギレ=少し怒るという意味」をしてしまいました。

このローションを使うようになってから、肌がピリピリするようになった!

母は1年間、何度も何度も顔がピリピリするというので、わたしも困っていました。そんな時にあるCMが目に留まり、肌のピリピリは乾燥が原因だと分かりました。

それからそのローションを1年近く使ってもらったら、ピリピリすると言わなくなりました。1年かけてやっと見つけ、1年使ってもらったローションなのに、いつの間にかそのローションのせいでピリピリするというのです。

顔を洗ったまま、ローションもつけないから乾燥してピリピリしているのに、それを苦労して見つけたローションのせいにするとは!2年間の思いがカラダの内から湧き出てきてつい、

くどひろ
ちゃんとつけてないから、そうなるんだって!

若干、声を荒げてしまいました。「こんなに一生懸命、世話してるのに!」って、わたしは普段思わないんですが、このローションに関しては、足掛け2年の歳月を費やしています。冗談抜きで100回以上ピリピリの話題を浴びせられたという思いも重なって、つい言ってしまいました。

あ、久々にやっちまった・・・と反省したあとで、思いついたのが今日の記事です。

認知症介護をしている人だけにあるたった一つの特典

ありがたいことに、母は認知症です。

わたしがプチキレしたことを忘れてくれて、もう1回チャンスをくれます。認知症じゃなかったら、こんなチャンスはすぐに巡ってこないでしょう。ケンカしたことを引きずって、お通夜のような朝食を共にし、会話のないランチをして、ひとり部屋にこもったりしないといけません。

よっぽどできた人間か、認知症の人ぐらいでしょう、こういう粗相に対して寛容に許してくれるのは。認知症介護している人なら、何万回もこんな経験ありますよね。せっかくのこの経験、他で生かさない手はないと思いました。これだけの失敗を、わざわざ他の人にも同じようなことする必要ないです。

ひょっとしたら失敗しても許してくれると分かっているから、認知症介護者は何度も同じ失敗をしてしまうのかもしれませんね。こんなありがたい話、他にはないじゃないですか!会社の上司なら許してくれませんって。友達だったら、LINEで既読スルーされますって。人を傷つけること、失言してしまうとはそういうことです、撤回するのが本当に難しいし、積み上げてきた信頼をホント一瞬で簡単に崩してしまいます。

自分ではやってしまったと思いましたが、母は至って普通でした。次は気をつけようと思っても、たまにこういうことはあるのですが、日常生活においてはこういう失敗をしないようにしたいと思います。もう一度チャンスが巡ってくるのは、認知症介護している人だけに与えられた特権だとわたしは思います。その特権を使って、人間としてさらなる成長を遂げたいと思いました。

今日もしれっと、しれっと。


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4件のコメント

読んでて思わず笑ってしまいました。
なんだか気持ちがスーッとしました。
ありがとうございます。
出された本も読んで参考にさせていただいてます(^O^)

kazuminnさま

本を読んで頂き、ありがとうございます!

スーッとして、笑って頂いてとてもうれしいです。今回そんなに笑いのポイントがなかったように思うのですが、それでもありがたいです。

くどひろ様
ほんとに!
何度だってそれはありがたいと思いました。
でも逆にご機嫌斜めの母にガツンといわれると、こちらはちょっと引きずっちゃうんですよね。
まぁそれも思い出、思い出。

わかなまるさま

twitterでやりとりした中で、自分も都合よく忘れられたらいいのにと思いました。人間的に成長すると、これもできるようになりますよね。都合のいいことだけ記憶して、都合の悪いことは忘れるという・・・難しいですが(笑)

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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