認知症の人に見てもらうテレビ番組の選び方

皆さんは、認知症のご家族にどのテレビ番組を見てもらうか、意識してますか?

わたしは、めちゃめちゃ意識しています。なぜかというと、番組内容によって視聴がいい刺激を与える時間になる場合と、昼寝を誘導する時間になる場合があるからです。

母にとってつまらない番組を選択すると、かえって昼寝時間が長くなって、昼夜逆転につながります。そして長い昼寝から目覚めると、死んだ祖母が生き返りますし、家に居ない娘が現れます。母を寝かせないテレビ番組をご紹介しつつ、その理由をご紹介します。

うたコン

NHKうたコンは本やブログでも何度か紹介していますが、母の知っている歌手が登場する歌番組が、今はほとんどありません。テレビ東京でよく演歌の番組をやっていますが、岩手のテレ東系は他系列局でたまに見られるくらいなので、実質うたコンしかありません。

直近の記憶をたどれない母にとって、昔懐かしい歌手や歌は心地いいようです。ただ、歌番組自体が減少しているせいか、以前よりも母の知らない世代の歌手が出演するようになり、最近はうたコン中に寝るようになりました。

ドリフ大爆笑

本当に、ドリフ最強ですね!

もしM-1グランプリを母が見ても、おそらくネタの高度さ、話のテンポに全くついていけないと思います。ネタ番組を一緒に見たことがありますが、反応薄でした。

でもドリフの笑いって、本当に分かりやすい。母が嘘みたいにゲラゲラ笑っているのをみて、なるほどドリフって認知症の人にも分かりやすい、シンプルな笑いを追求したすごいコンテンツなんだなって今さらながら、気づかされました。たまに再放送しているので、とても助かります。

はじめてのおつかい

はじめてのおつかいは、自分の子育て時代を思い出すのでしょう。あと、かわいい子どもたちは見ているだけで癒されるので、母も食い入るように見ています。

動物系も子ども同様かわいいので、「あら~、かわいいごど」って何度も言いながらみてます。深く考える必要がなくシンプルにかわいいので、昼寝することなくずっとテレビを見ています。

ネプリーグ

母はクイズに答えられないのに、なぜかクイズ番組が好きです。この問題の答え分かる?って聞くと、あれよ、あれでしょって、あればっかり言います。

ネプリーグに限らず、クイズ系の番組が始まったら、チャンネルを合わせるようにしています。正直なところ答えは出てきませんが、クイズの回答の単語を母が覚えているか、意味は分かっているかの確認になります。結構、単語を忘れまくってて、ちょっとショックです。

相撲中継

昔はね、土俵のところに4本の柱があってね。お相撲さんがゴチーンってぶつかってたのよ

相撲が始まると、必ずこの話をします。あまりに毎日毎日毎日言うので、ネットで調べてみると、テレビ中継が始まったときに柱は撤去されたのだそう。そりゃそうですよね、柱で力士が隠れて見えません。

昭和18年生まれの母は、小さい頃テレビがなかったはずなので、初めて相撲を見たときからすでに柱はなかったのに、この作話の背景が分かりません。他の作話の背景はなんとなく分かるのですが、この話だけは全く意味不明です。ゴチーンって。

相撲もシンプルに勝負が決まるので、力士が誰なのかはさっぱり分かってないですけど、ずっと見ています。他にもなんでも鑑定団、新婚さんいらっしゃいなど長寿番組が好きです。

母がテレビに集中している間に、わたしは昼寝をしたり、文章を書きに2階の自分の部屋に上がったりします。なので、テレビばっかり見て心配という元気な高齢者によくあるフェーズから、テレビ見ていてくれてありがとう!のフェーズへと移行しています。

テレビ番組選びによって、認知症の人にとっての回想法になりますし、昼夜逆転防止にもなる。そして介護者が安らぎのひとときを得られるチャンスにもなります。認知症ご本人も介護者もハッピーになれるので、テレビ番組の選び方とても大切ですね。

音声配信voicyは、ある朝の3時間でギャーってなった日の介護の話です↓

今日もしれっと、しれっと。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。岩手にいる認知症&難病(CMT病)の母(79歳・要介護3)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて10年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。Voicyパーソナリティ『ちょっと気になる?介護のラジオ』。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。
【著書】親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)ムリなくできる親の介護(日本実業出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか