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認知症の母に字を読んでもらうための「かな表記」に苦戦中

前に、認知症介護で大活躍した貼り紙をはがしつつある話を書きました。

理由のひとつに、認知症の母が漢字を読めなくなってきたからと書いたのですが、今日の話と共通しています。

かなだけで表記すればいいわけでもない

母は3か月に1回程度、歯(入れ歯)の掃除のために歯医者に通ってます。2017年に起きたこちらの事件がきっかけなんですけど、とにかく今も通ってます。

認知症 口腔カンジダ
歯医者に行く日の朝、わたしはホワイトボードにいつも「10:20出発 〇〇歯科」と書きます。

これを書かないと、出発するまで母から「今日は何の予定があるの?」「歯医者は何時出発なの?」「何するの?」と何回も質問されるか、あるいは全く忘れてしまって気を抜いてしまうかになるので、母が座っている居間の席の目の前にホワイトボードを置きます。

最近、このホワイトボードの文字が読めない日があるので、わたしはいつも悩みます。そこで「10:20出発 〇〇しか」とひらがな表記にしました。すると母は〇〇しかって、どういう意味? と聞いてきます。

ひらがなにし過ぎると、かえって意味が伝わらないってあるじゃないですか? さて困ったなと思ったわたしは「10:20出発 はいしゃ」と書いてみたところ、やっと意味が通じました。ただこの書き方だと、どこの歯医者に行くの?と何度も何度も質問されます。

同じようなケースは眼科でもあって、「10:20出発 〇〇眼科」と書いたら、これはなんて読むのと言われました。そこで「「10:20出発 〇〇がんか」と書いたら、余計分かりづらくなったみたいで、がんかって何なの? 何するところなの? と言われます。

めいしゃと書けばいいのかとか悩むし、かといって漢字が読める日もあるので、どう表記するのが正解なのか、最近は正解探しに苦労してます。また出発が読めない日もあるので、10:20に行くと書かないといけない日もあります。

単純にかな表記にすればいいわけでもなく、かといって単語の理解もできない日もあるので、本当に難しいなと思う日々です。

音声配信voicyの最新回は、特養のショートステイであった殺人事件にどう思うかの話です↓


今日もしれっと、しれっと。


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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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