認知症の母が歯磨き粉の使い方を間違えていたけど、それほど気にならなかったワケ

先日、見守りカメラで母の様子を見ていたら、台所の壁に掛けてある全身鏡の前に椅子を置いて座っていました。

いつもはファンデーションについている小さな鏡を使うのですが、どこかに片づけて見つけられないのでしょう。やむを得ず全身鏡で、化粧を始めたようでした。

いつもは朝に、顔を洗ったあと化粧をするのですが、この日はなぜか午後に化粧を始めました。時間の感覚が分からずに、デイサービスへ行く準備を始めたのかもしれません。

とはいえ、いつも使っている化粧ケースが映像のどこにも見当たりません。

母が顔に塗っていたものはすぐに分かった

母は顔に何を塗っているのか?

カメラをズームをするまでもなく、すぐに分かったのです。なぜかというと、台所のテーブルの上には見慣れた洗面器が映っていました。その洗面器の中に入っているものは、歯ブラシと歯磨き粉なのです。

そうか、歯磨き粉を顔に塗ってしまったか!それほど驚いたり慌てたりしなかった理由は、これまであった食器用洗剤の誤飲や冷蔵庫の脱臭剤の誤食に比べれば、緊急性はないと思ったからです。変なところで、介護者として強くなっています。

歯磨き粉を顔に塗ったら、おしろいみたいになるのかな? 顔はスースーするのかな? そこで気づいて欲しいけど、たぶん厳しいだろうな? そんなことを考えました。

最近は化粧も怪しいので、わたしが立ち会ってファンデーションや口紅を手渡しするようになっているのですが、遠距離介護なので常に一緒にはいられません。そうなるとこんなことも起きてしまいます。

いっそのこと歯磨き粉も洗剤やしょうゆなどと一緒に隠してもいいのですが、そうすると冷蔵庫にある食材以外は何もない家になってしまいます。当面はこのまま様子を見ますが、もし歯磨き粉を避難させるとしたら、トリガーは大量の誤食かなと思っています。

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今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか