認知症介護と選挙の話

先日、都内で期日前投票を終わらせてきました。

いつも紙の選挙公報で各政党、各候補者の公約を読みながら投票先を決めるので、決まった政党や候補者に入れているわけではありません。

わたしは自分で考え投票所に行くことができますが、これまで認知症の祖母(成年後見人はわたし)と母の選挙をどうしてきたかという話をします。

認知症の人の選挙

認知症の人には2つのハードルがあると思っていて、1つは投票所にたどり着けるかどうか、もう1つは投票所についてから、投票箱に投票用紙を入れるまでです。

総務省の資料を見ると、2016年参議院選挙の際は投票所までの巡回や送迎バスの運行(車椅子対応も可)をしたところが172か所ありました。また投票所自体が、移動しているケースもあります。

ちなみに自治体が指定する介護施設や病院であれば不在者投票(家の住所の場所にいないので)ができますし、要介護5の場合は郵便による投票もできます。

母がもし政治に関心のある人で認知症の進行が中等度ぐらいまでだったら、こうした投票のサポートがあれば、自分で判断して投票できていたと思います。今は重度なので、投票所まで行けたとしても、自分で判断しての投票は厳しいと思います。

なぜ投票所まで行けても投票できないかというと、認知症の人の投票は家族やヘルパーさんが付き添って代筆もできた時代もありましたが、今は代筆は選管職員がやるという決まりになっているからです。

1度も話したことのない、どの程度認知症の人の対応ができるか分からない選管職員の前で、おそらくうちの母なら戸惑って「お任せします」とか言いそうです。

さらに政党の違いも分からない、候補者の公約も分からない。候補者名を書くのと、政党名を書くのもよく分からないと思います。あの狭い箱の中にある候補者名・政党名の字も見えないし、そもそも投票所の入場券もきちんと保管できないと思います。

わたしは投票所の中までは付き添えませんが、仮にそれが叶ったとしても「あんたと同じでいい」とか言いそうです。

結局、認知症の祖母も母も1度も選挙権は行使していません。認知症だから諦めたわけではなく、89歳の祖母にも試しに選挙どうする?と聞いたことはあります。でも、祖母も母もこれといった明確な意思はなかったです。

軽度の認知症の方ならサポートがあれば、問題なく選挙できると思います。でも重度まで進行してしまうと、選挙権の行使は難しそうですね。

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今日もしれっと、しれっと。


 


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2件のコメント

くどひろさん
こんにちは。
選挙がまたやってきましたね。
自分は同居のため、選挙のギリギリまで付き添いができます。選挙行く直前まで、選挙広報をみて、入れたい人を聞きます。当日は受付を一緒に行い、選管の方に託します。名前を書くところには顔を出し、選管の方に許可を得て、選んでいた候補者を指し、私は離れます。するとウンウンと頷くので、選管の方が記入します。
参議院も無事投票できました。投票できたことは喜ぶので、しばらく頑張るつもりです。
いつまでできるかな、、?

ぴっぱさま

すばらしいですね!!
投票できることを喜んでいらっしゃるのであれば、ぜひぜひムリしない程度に続けて欲しいです。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。岩手にいる認知症&難病(CMT病)の母(79歳・要介護3)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて10年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。Voicyパーソナリティ『ちょっと気になる?介護のラジオ』。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。
【著書】親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)ムリなくできる親の介護(日本実業出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか