先日このお話の下書きがアップされてしまいまして、削除致しました。申し訳ございません。放送を見たので、こちらのお話を改めてとりあげます。
「結婚しない男」がまさかの結婚…。家庭にも子供にも興味がなく、同居する女性が何度結婚を迫っても、のらりくらりと逃げてきた。けれど56歳にして想定外の結婚をした人がいる。京都に住む芦田豊実さん(66)。芦田さんと16年共に暮らした節子さん(64)が、若年性認知症を発症した。芦田さんは責任をとって婚姻届を提出。日常生活が出来なくなっていく節子さんを前に、介護せざるを得ない状況に。悪戦苦闘するも、サラリーマン生活が続けられず、退職を余儀なくされた。他に頼る人もない、1対1の介護。でもそれは、これまで逃げていた節子さんの人生に、正面から向き合う事だった。そんな夫婦を7年にわたり取材した。まさかの結婚をした芦田さんが、人生の晩年に見つけたものとは…。
この放送を見た時に、「結婚して責任を取るなんてすごい!」という感想が多いと思うんですが、わたしは「結婚」という制度の重さだけが印象に残りました。
結婚に対する意識って?
厚生労働省の平成25年厚生労働白書の中に、「結婚に対する意識」という項目があります。一部引用しますと
「結婚は必ずするべきだ」と「結婚はしたほうがよい」を合計した結婚に肯定的な人の割合について、日本は64.5%であるのに対し、韓国が最も多く75.9%、アメリカは53.4%、フランス、スウェーデンでは4割を下回っている。他方で、欧州の一部やアメリカでは我が国と比べて婚外子の割合が高く、婚姻率の低下と並行して事実婚の増加が指摘されていることに留意が必要である。
1984年の日本は「人は結婚するのが当たり前だ」と考える人が61.9%もいて、2008年には35.0%まで減ってます。今は離婚する事への抵抗感も薄れているし、「結婚」への価値観はどんどん変化しています。
引用文にもありますが欧米では事実婚が増加していて、フランスは20%、スウェーデンは35%もいます。婚外子もフランスは1980年までは11.4%だったのに、2012年はなんと52.6%。出生率が上昇していることで有名なフランスには、こういうデータがあるんですよね。(日本は0.8%)
芦田さんが結婚を選んだ理由
いわゆる事実婚で認知症になった場合、介護サービスがどれほど受けづらいのか?というところは番組上分からなかったのですが、芦田さんが結婚した理由のひとつが、介護サービス利用だったことを考えるとここは未整備なんでしょう。
この番組タイトルをみると、やはり「結婚」という制度の重さを感じざるを得ないのですが、婚姻届を出しているかいないかだけの違いであって、長年連れ添った彼女が認知症になったらそれは情が働くのが普通ではないでしょうか?
結婚という価値観が変わり、離婚への抵抗感が薄れ、認知症の人は増加している、婚外子への制度も決して整備されていない中で、数年後には「事実婚家庭の認知症介護」も注目されるんじゃないかと思います。
「結婚」という制度が、この番組をドラマチックにしている部分がありますが、要は長年連れ添った男女。純粋に介護する気持ちは、結婚していようがいまいが関係ないわけです。
最近ではLGBTという性の多様性も、以前より受け入れられる社会になってきています。同性婚された方が認知症介護をするというケースも出てきますよね。
結婚、性、そういったものを超越して、すべての人が認知症の介護サービスを平等に受けられることがこの先大切だよな~と、番組を見て思いました。
再放送の予定
2015年5月17日(日) 11:00~ BS日テレ
2015年5月17日(日) 7:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」
今日もしれっと、しれっと。
【2024年講演会予定】
10/19(土)宮崎県えびの市 → 講演の詳細・お申込みはこちら
コメントを残す