お泊りデイサービスから帰ってきたときの母の一歩目が気になる

デイサービスから帰ってくる母を、今まで何百回自宅で迎えたか?

実は最近、母がお泊りデイサービスから帰ってきて、スタッフの方に歩行介助されて自宅に入ってきたときの足取りが弱々しくて気になっています。

足取りが弱々しい理由を推測する

わたしが推測するにデイサービスで立ったり歩いたりする機会がそんなに多くなくて、座っている時間が長いからフラフラするのかなと思っています。しかもお泊りで時間が長いため、足取りが弱々しい感じになるのかもしれません。

これは本当にわたしにしか分からない微妙な感覚で、足の踏ん張りがきいてなかったり、手足の震えがいつもよりちょっと強かったりしています。

3か月前の骨折していた頃の母だったら、これで問題ありません。でも今は治ったので、その弱々しさが少し気になっています。今度帰省したときに、デイでどれくらいの時間立っているか、歩いているかを聞いてみようと思っています。

母は重度の認知症でひとり暮らしですから、何回も布団を敷いているか確認できるし、何回も手も洗えるし、何回も冷蔵庫を開け閉めできます。わたしが居ると途中で注意してしまうので、その回数は減ってしまいますが、ひとりの時は確認し放題です。

転倒や骨折のリスクは相当なものですし、実際1回骨折しています。それでも筋力アップを優先して、ある程度自由に動いてもらっています。

リスクを取れる家族と取れない介護施設

最近よく想像するのは、母をデイサービスではなく完全に介護施設に預けることになると、おそらく自宅に居るときほどの運動量は確保できないだろうということです。そうすると、一気に弱っていく姿が想像できます。

転倒してもいいといった家族ならではの攻めの介護は、デイや介護施設では難しい。どちらかというと、転倒しない守りの介護になるのはやむを得ません。もちろんある程度のところまで対応してくださる施設もあると思いますが、そんな施設がどこにあるのかを見つけるのが難しい。

やはり遠距離介護であること、たくさんの介護サポートを受けながらもひとり家で生活していることは元気の源でしかないよなと、改めて思っているところです。動けるうち、元気なうちは今の介護の形がおそらくベストなんだろうと思っています。

今日もしれっと、しれっと。


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5件のコメント

お久しぶりです・・
[お泊りデイ]or[ショートステイ]を実施してる施設での介護は
[デイサービス]よりも、はるかに・・
● 人員不足 ● 予算不足 ● 物価高騰 ● 安全対策 などを
理由としての[ベットでの放置(見守り管理???)時間]が長い
と[うわさ]されてますよね・・!!(ご存知でしょうが・・)

私個人としては・・[当人の健康維持]を最優先するならば・・
よほどの事がない限り、極力 利用すべきでないサービス だと
考えています・・・

古賀さま

確か年始にそういったニュースも出ていましたよね。
総花的なサービスより、特化しているもののほうがレベルは高いとわたしも思います。

ご想像の通りだと思います。
続けてのコメントになってしまいましたが、この問題だけは見過せなくって…。

私の母親は今現在の工藤様のお母様とほぼ同じ状況で、手術入院し、2ヶ月後にやむを得ず施設入所しました。
それまでは、毎日の通い&カメラ見守り&1日数回の電話、デイや訪問リハ、ヘルパーさん等サービスをフル活用で独居在宅介護をしておりました。

入院時は毎日歩行のリハビリ訓練(予防目的)が組まれていました。
2か月後の施設入所時はさほど在宅時と変わりなく…。
ところが施設入所して3ヶ月後に毎日してたリハが、規則上、週1個別、週1集団、という形に減りました。その直後から歩行が難しくなり、トイレ介助も出来なくなり、リハパンからオムツへ。
本当に悲しかったです。
1年でほぼ寝たきり、寝返りも難しく、膝は硬縮してギュっと曲がったままです。
食べる事が大好きだった母、今は食事もギリギリ自分で食べれるかな?って感じですが、介助などはないので、諦めて食べるのをやめてしまうようで10キロ以上痩せました。
認知症は元々重度でしたが、思ったよりは進行緩やかかなと…。

実際に私が母を施設にお預けした結果こんな感じです。
5類とはいえコロナの制限はまだまだ継続中で、面会も15分ロビーで、差入れや食事の介助などもってのほかですので、入所はかなりの覚悟がいると思います。
今となっては、在宅をさせてやれなかった自分に情けない気持ちでいっぱいです。

ライリンさま

貴重なお話、ありがとうございました。

お泊りデイですら、あれ?と思うくらいなので、入院や介護施設に預けたら一気にガタガタっと来るだろうなと思っています。亡くなった父はかなり強引に退院させて在宅医療に切り替えたらめちゃくちゃ元気になって、あの経験は忘れられません。
ライリンさんだけでなく、こうしたケースはよく聞きます。でもやむを得ない事情もおありだったということなので、あまり自分を責めないでくださいね。

優しいお言葉ありがとうございます。
お父様やお祖母様の事はVoicyやブログを通じて存じておりましたが、在宅医療へ切替えて元気になられた事があるのですね。
コロナ制限がなければ時々外泊で在宅介護をして家族と過ごし少しでも元気を。と望んでいますが、まだまだ制限が厳しいので施設の庭を一緒に散歩すら叶いません。
外だしマスクして大丈夫では?
入所者にも外の空気で気分転換必要では?
と、悶々と思う日々です。
インスタなどでは介護施設によってはお花見したり、お庭で食事会したりと見たりもしますが、
施設によって様々なのは承知してますが、介護施設全体のそういう指導なりあればいいな〜とは思ったりします。
工藤さんのお父様のお話しを知り、色々と考えを巡らせております。
ありがとうございました。
今後も応援しております。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか