認知症の母のデイサービスの準備は異様に早いです!

デイサービス 準備

認知症の母はデイサービスに通い始めて、3年半が経過しました。

遠距離介護が始まってすぐ(6年前)に検討したデイサービスは、ケアマネが所属する系列のデイサービスでした。わたしはそのデイの見学に行ったのですが、利用者の平均年齢はおそらく80代前半。

認知症も割と進行した人が多く、当時69歳でまだ認知症もさほど進行していない母とはマッチしないだろうと思い、ケアマネに断りの連絡を入れました。それから生け花など近所の習い事に通わせようと母と一緒に行ったりもしましたが、どれもうまくいきません。

デイに行けず、2年以上わたしが悶々としていたところで今のデイサービスと出会い、3年半のお付き合いになります。

デイ前日夜の認知症の母の様子

今日は疲れたから、明日はデイ休むかな。
明日、買い物いかねばねーの。

デイサービス前日の夜は、母がデイに行きたくないという話を毎回聞かされます。特に用もないので疲れることもないのですが・・・。わたしはというと、

くどひろ
盛岡にはあんなデイはないって。今入りたくても、すでにキャンセル待ちらしいよ

ステキなデイなので、なかなかない!というのは本当の気持ちです。ただ、キャンセル待ちに関しては、話盛ってます。(ひょっとしたら、本当にそうかも?)

デイに行きたくないという母をその気にさせ続けたせいもあって、たまに

わたしのデイは、キャンセル待ちがすごいって

とか言い出すこともあって、ちょっとやり過ぎかなと自省することもあります。そんなデイ前日のやりとりはあるのですが、ここ3年くらいはほぼ皆勤賞なのです、実は。

デイ当日の朝の様子

前日から何度もカレンダーの予定をチェックし、デイの連絡帳に書いてある次回デイに行く日も何度も見ます。デイに行く日、母は朝4時とか5時に起きます。認知症であっても、デイに行くぞ!というスイッチは入るみたいです。

それこそ以前は、椅子にしがみついて「いぎだぐない~」とか言ってましたし、東京から電話で30分説得したりと、それはそれは大変な日々でした。だから、早起きぐらい喜んで付き合いますし、前日ぶーぶー文句を言いながらも、きちんと行ってくれるだけありがたいし、感謝しています。

わたしはね、小学生の時、学区外だったから、とにかく準備が早い人なの

これが口癖の母はデイの送迎が8時45分くらいなのに、8時には外に出てデイの送迎車を待とうとします。

わたしはね、足が不自由だから、靴を履くのに時間がかかるの

とにかく人を待たせるのがイヤで、余裕をもって行動したい母。ちなみに靴を履くのにかかる時間は10秒程度で、全く時間がかかりません。ただ本人のイメージが、靴を履いて玄関を出て準備するのに30分くらいかかるみたいです。

特に冬は大変です。氷点下の極寒の外で30分以上待とうとするので、わたしはトークでなんとか家の中に居るように努力します。

くどひろ
ほら見て、このニュース。殺人だってよ、殺人!

テレビを見せて、なんとか家の中にとどめます。夏は夏で熱中症の心配があるので、我が家の8時から8時30分はいつも必死です。デイ送り出しを担当しているヘルパーさんもきっと、わたしのような戦いを強いられているのだと思います。

わたしもいない、ヘルパーさんのデイ送り出しもない日が週1日あるのですが、その日はおそらく30分以上前には、家の車庫にあるベンチに座って、ずっとデイ送迎車を待ってるはずです。

いろいろあってもきちんとデイに行ってくれる母には感謝していますし、その行動自体が認知症の進行を遅らせているものとわたしは信じています。

栄養面でもプラス、他の人と話していることもプラス、料理や買い物をすることもプラス、デイはいいことしかありません。以前は下痢、風邪、腹痛など、あらゆる仮病を使ってデイのお迎えを追い返した母です。それがまさか、皆勤賞になるとは・・・最期まで続けて欲しいと願っています。

それまでは騙し騙し、母をデイに送り出し続けようと思っています。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

1件のコメント

お母様、時間にきっちりされているんですね。
時計を15分遅らせておく作戦は、、バレるのでしょうか?

さて、関西では大きな地震があったので、先週は会話が面倒臭かったです(^_^;)。
幸い被害は何とも無く。
しかしあの大きな揺れの5分後には父はもうすっかり忘れていて、
TVを見るたびに騒いで大変でした。
(一々TVの前まで呼びつけて無視すると怒る、、)
今回は、メディアもそればかり報道するという感じでもなかったですが、
逆に日中は災害の報道をしない放送局
(子供など不安を感じ易い人用に、心落ち着く番組のみ放送)が
一つくらいあっても良いんじゃないかとフト思いました。
まぁ、ビデオに切り替えれば良いだけなんでしょうが。。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか