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なぜ12年前に亡くなった祖母が病院のベッドから転落したことを今振り返っているのか?

2013年、療養型病床に居た祖母は早朝に病院のベッドから転落し、大腿骨を骨折しました。当時のブログ記事はこちらで、病院に責任があるかどうかを調べ、高齢者が病院内で大腿骨骨折をするケースは多いと書いてありました。

この時わたしが参考にした記事が、6年後に会うことになる長尾和宏先生の「手術は成功しましたが、寝たきりになりました」です。

2011年の記事ですが、今読んでも本質をついた良記事だと思うし、14年経った今も変わっていないと思います。

老人が転倒すると御家族は慌てて救急車を呼ぶ。
2~3日後に大腿骨頚部骨折の手術が行われる。
リハビリ目的という名目で、転院加療が行われる。

2ケ月経過すると、寝たきり認知症老人が完成する。
手足の拘縮や床ずれや栄養不良も始まっている。
そこで、胃瘻が入れられる。

家族が胃瘻を拒否すると、鼻からチューブが入れられる。
そのチューブの処置を巡って、退院時カンファが開かれる。
在宅では、ケア会議で、チューブ栄養の技術が議論される。

こんなことを繰り返していると、
「手術しないで、そのまま家で暮らしていたらよかったのに」
と思うことが多い。

引用元:http://blog.drnagao.com/2011/03/post-1404.html

元記事のリンクを下記に貼っておくので、全文読んでみてください。

母の介護施設を考えるときに思い出す

祖母が大腿骨の手術を終え、療養型病床に戻ってきたもののリハビリの効果はなく、歩けなくなり、そして車椅子を選択しました。

そこからベッドに居る時間がどんどん長くなって弱っていったので、祖母を退院させて介護施設に預けようとしました。

ところが施設を探すたびに何度も熱発するようになり、次第に施設探しは諦めて病院で最期までと決意して、亡くなったのです。

この頃に読んだ本のタイトルが、『動かないと人は病む』。生活不活発病(廃用症候群)の話なのですが、祖母が亡くなるまでの過程を見て、やはり日常生活で動いてもらわないとダメと強く思いました。

重度の認知症の母は、今ぐらいの運動量を保てないとすぐに歩けなくなるのは明らかです。だって、たった2泊のお泊りデイで、家の中の壁の伝い歩きからハイハイになってしまうのですから。

この前、在宅介護でお世話になっている介護職の皆さんの前で、「施設に入ったら、母は1週間で立てなくなる」と言ったら、確かにそれはあるかもしれないと言ってました。ハイハイの件も分かっているから、皆さん納得されたのだと思います。

介護施設について考えるたびに、頭の中で常に思い出すのは12年前の光景です。祖母の失敗を繰り返したら絶対後悔するから、弄便があっても家の中では動き回れるだけいいと思えるし、やっぱり家がいいかなと「今は」思っています。

昨日、NHKラジオ第一に出演しました。コロナの緊急事態宣言があった当時について語っているので、もしよかったら下記リンクから聴いてください!4月3日(木)で配信は終わります。

聴き逃し番組を探す | らじる★らじる NHKラジオ

今日もしれっと、しれっと。


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1件のコメント

AOIさま

コメント読みました。ブログとvoicyの両方、ありがとうございます!
寝たきりを回避できたのは、何よりでした。
わたしのほうは今のところ大丈夫です。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
老いた親の様子に「アレ?」と思ったら(PHP研究所)、親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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