淳と隆の週刊リテラシー(TOKYO MXテレビ)で、新党改革代表・荒井広幸議員が面白い提案をしていました。
安倍内閣が掲げる一億総活躍社会を具体化するために、荒井議員は昨年「国民総ヘルパー社会」を発表しました。かなりキャッチーなコトバだったので、テレビの内容をさらに掘り下げてみます。
国民総ヘルパー社会とは?
中学生・高校生全員が、旧ホームヘルパー3級程度の資格(家事援助のみ)をとります。120時間の授業、その時間で地域や施設を訪問してお手伝いをするという提案でした。
下記国会動画を見ると、前向きに検討している&お茶を濁している感じ両方に見えます。リテラシーの上杉隆さんは文科省(学校)と厚労省(介護)の壁を指摘し、進まないとしたらそこに原因があると話していました。
20年前からこの取り組みに近いことをしている高校が、福島県にあるのです。
福島県川口高校の取り組み
英語、数学という教科と並んで、「福祉」という専門教科があり、外部専門家による授業を実施。学校の下(近く?)にある特養での実習、ヘルパーさんの資格取得ができる、さきがけの高校です。
福祉系学科がある高校は、ここ以外にもあります。荒井議員が福島県出身の議員なので、特に強調されているのかもしれません。これを全高校へ広げるという話なので、かなりハードルの高い提案です。
ハードル高い、はい終了!ではなくて、もし実現したらどんなメリットがあるのかを、特に認知症について考えてみました。
この提案をどう考える?
うちの高校生の姪や小学生の甥は、ごくごく普通に認知症の母と接しています。一方で、認知症の方と一度も接したことのない大人は、しかめっ面で「大変そう」って言います。もし甥や姪のような経験を、多くの人が学生時代に経験していたら、
「高校時代、認知症の人と接したけど、別に特別なことは何もなかったよ」
こうなるかもしれません。認知症介護の壮絶さをメディアがあおっても、自分の経験が勝るわけで流される人が減るわけです。
思いっきりメディアの影響を受け、40歳で認知症介護デビューしたわたしより、姪や甥は抵抗なく認知症介護を受け入れると思います。きっと川口高校の卒業生の皆さんも、抵抗感はないと思われます。
全員がヘルパー資格を持つ必要はないし、職業として選択する必要もありません。受け入れる施設も大変ですし、逆に体験してイヤになってしまう人もいるでしょう。メディアの言うとおりだった!という人もいるでしょう。それでも、こういった発想は単純に面白いと思いました。
認知症の方も、若い人と触れ合うことはすごく刺激になります。うちの母が通っているデイも、近所の子どもや20代の利用者さんもいて世代がバラバラです。このデイに通ってもらいたい!そう思った理由の一つが、高齢者だけで固まってないという点です。
介護離職ゼロの目標も、この「国民総ヘルパー社会」が間接的に役立つかもしれません。
自分がそうでしたが、やっぱり介護経験がないと、なぜあれだけ休んでしまうのか完全に理解できない部分がどうしてもあります。中高時代に経験しておけば、会社での理解も少しは深まり介護離職が減るかもしれません。
さらに、認知症に対する偏見や差別も減るかもしれません。若いうちから認知症の方と接するという提案は、いろんな可能性を秘めている!そう感じました。
今日もしれっと、しれっと。
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