1/18新刊 重版決定!

クローズアップ現代 「見つめて 触れて 語りかけて ~認知症ケアユマニチュード~」 を見て

NHKクローズアップ現代「見つめて 触れて 語りかけて ~認知症ケア“ユマニチュード”~」 を見ました。先に再放送のお知らせですが、2月6日(木) 0:10~0:36 です。(ブログ更新後、すぐの放送です)

内容はどちらかというと、「医療従事者向け」 であり、「軽度よりも高度の認知症患者向け」 という印象を受けましたが、それでも認知症介護する家族にも十分活用できる、新しい認知症ケア方法だと思います。

「ユマニチュード」 とは?

下記の図が 「ユマニチュードの概略」 です。 「見る」 「話す」 「触れる」 「立つ」 が基本の4要素で、150の手法で構成されています。日本では最近話題になり始めましたが、フランスでは35年前から研究が進み、ドイツ・カナダでも導入されています。

図:ゆうゆうLife より

クローズアップ現代では、上記の図にさらに詳しい解説が加わっていました。例えば、なぜ同じ目の高さで見るかというと、

見下ろす   → 患者  「支配を受ける」

認知症患者はこのように感じるようです、子どもと接するときと同じですね。他にも、

黙ってケア → 患者 「存在を否定されている」
つかむ    →  患者 「恐怖を感じる」

このように認知症患者は感じます。クローズアップ現代では上記の方法で、実際に87歳男性に対して 「ユマニチュード」 を実践していました。ちなみに実践したのは、「ユマニチュード」 考案者のイヴ・ジネストさんです。すると・・・

・日中はほとんど反応がなく攻撃的な人が、反応を示した
・30分で意欲がよみがえってきた
・攻撃的言動がなくなり、社交的な姿を取り戻した

患者のご家族も驚き、見ていた看護師さんも「看護師にとっても、喜びとか楽しさを見つけられるケア方法」 と言っていました。わたしが驚いたのは、イヴさんはフランス人で日本語ができないんですが、通訳を介していてもケアが成り立っていること、そしてこの男性がイヴさんを外人と認識して、「イエス」 と反応していたシーンでした。

国立病院機構「東京医療センター」総合内科の本田美和子医長が、次のような事を言ってました。

・病気の診断や治療に関しては自信があっても、認知症の人に治療を受け入れてもらう時に困難が生じる
・おむつ替えに30分かかっていたものが、2分30秒に短縮した → 短い時間でケアを実施できる

「ユマニチュード」 は医療従事者にとっては、こういうメリットがあるんだなぁと。動画ベースで、「ユマニチュード」 を見ることができたのはよかったなと思いました。

「ユマニチュード」 の関連書籍は、下記の 「看護管理」 と他数冊しかありません。150の技術って、いったいどんなものがあるんだろうか・・・気になりますが、いずれ出版されると思います。


 


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東京と岩手の遠距離「在宅」介護を、10年以上続けられている理由のひとつが道具です。わたしが使ってきた道具を中心に、介護保険の杖や介護ベッドなど福祉用具も含め、介護者の皆さんがラクになる環境を実現するための本になっています。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

番組みました~認知症にかぎらず高齢者への接し方として幅広く応用できそうな内容でしたね!
なにか関連の本でもないのかしら、と思ってさがしてみてもほんとになかった・・・^^;
雑誌も居住市の図書館にはないようでした(涙)
講演とかあればちょっと聞きにいってみたいです。

ゆきこさま

いつもコメントありがとうございます!

そうなんです、本当に本がないんです。
NHKあたりがすでに執筆中だったりするような気もするんですが・・・・

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。岩手にいる認知症&難病(CMT病)の母(79歳・要介護3)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて11年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。Voicyパーソナリティ『ちょっと気になる?介護のラジオ』。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか