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【認知症対策】新しい掃除機を買っても、古い掃除機を捨てないワケ

認知症 古い物

帰省のための東北新幹線のチケットは、クレジットカードで購入している。

年間約20往復しているので、JRのネット予約サイト「えきねっと」ポイントと、永久不滅ポイントがどんどんたまっていく。しばらく放置していたら結構なポイントになったので、掃除機を買うことにした。

実家の掃除機は紙パック式で、何のメンテナンスもしてないので全く吸い込まない。掃除機のヘッドの部分を畳やカーペットの上に当てても、何の反応もない。まるでカーリングのストーンのように、スーッと滑っていく。来年の冬季オリンピックで使えるレベルだ。

あれだけきれい好きだった母も、最近は頭の中で掃除をすることが増えた。なんとなく掃除をすることもあるのだが、よく見ると掃除できていない。でもパッと見では分からないので、こう言われる。

ヘルパーさん
いつもおうちをキレイにされてますよねー
わたしはね、家をキレイにするまでは、こたつに入らないと決めているの!

こうやって騙される犠牲者を、わたしは何人も見てきた。母はたまに掃除をしているのだが、実際はわたしが掃除している。母が自分が掃除しているつもりなので、わたしは母がデイに行っている間に掃除を終わらせるようにしている。母に手柄を譲るための、ちょっとした対策だ。

わたしが掃除した方がいい理由は他にもあって、ふだん気にしないところに目が届くから。母が失くしたペンや隠したお金がひょっこり出てくることもある。そういった場所を一度覚えておくと、母がモノを失くした時の手がかりになる。

さちこ(わたしの妹・仮名)が欲しいって、持ってった!

母のもの盗られ妄想はしょっちゅうだが、よく失くすものにはキーファインダーをつけている。リモコンを押せばピーピー反応するので、すぐ見つかる。しかし、全部に取り付けてないので、掃除中にいろんなところからいろんなものが出てくる。

カーリングのストーンのようなヘッドをもつ古い掃除機は捨ててしまってもいいのだが、あえて捨てないようにしている。それは、母のためだ。

慣れ親しんだ掃除機なら、たまには使ってみようと思うはず。全くゴミを吸わなかったとしても、母は掃除したことで気持ちよくなるし、何より手足のリハビリになる。もし新しい掃除機を見たら、使えるかもしれないけど、何これ?となって、掃除機のスイッチすら押さないこともあると思う。そして間違いなくできないのは、溜まったゴミの処理。

わたしがほとんど使うので、紙パックでないサイクロン式のものにした。Amazonで安くて評価のよかったものにした。ポイントをAmazonギフト券に換えて、購入した。

新しい掃除機でゴミを吸ったら、あり得ないほどゴミが溜まった。いかに今までの掃除機がゴミを吸ってなかったかということがよく分かった。

ゴミを吸わない古い掃除機と、わたしがガチで掃除するための掃除機の2台が共存している。母はカーリングで掃除リハビリをし、わたしは失くしたものを捜索するために掃除をしている。

今日もしれっと、しれっと。


【10分で聴ける音声配信】 → 『ちょっと気になる?介護のラジオ』

 


【わたしが書いた最新刊】
近距離、遠距離に関わらず、認知症の親と離れて介護している方や介護が始まるかもしれない方に向けた新ジャンルの介護本です。図表とカラーで分かりやすく仕上げ、本の内容はNHKあさイチなど多くのメディアに取り上げられました。

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ABOUT US

工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。岩手にいる認知症&難病(CMT病)の母(78歳・要介護2)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて10年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。Voicyパーソナリティ『ちょっと気になる?介護のラジオ』。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。
【著書】親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)ムリなくできる親の介護(日本実業出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか