10分で聴ける介護ラジオ放送中!

認知症の母が「さん曜日」と言った半日のできごと

今日は、3か月前に予約したものわすれ外来へ母を連れて行く日。

わたしはいつも、格安レンタカーを借りる。しかし車社会の盛岡では経営が立ち行かなくなるのか、レンタカー屋がつぶれ、通算で4社目のレンタカー屋を初めて使うことにした。

盛岡駅近くにレンタカー屋は、実家からはかなり遠い。わたしは運動のためとドラクエウォークのレベル上げのために、バスで30分かかるところを1時間ほど徒歩で現地に向かった。

車の傷をチェックし、母をピックアップするために実家へ向かう。運転中、ものわすれ外来からわたしの携帯に電話があった。なんだろう、1時間後には外来へ向かうというのに。実家に到着し、折り返しの電話を入れると、急な往診が入って外来はなしになってしまった。

命に関わる往診なのかもなと思った。しかし、3か月前から日程調整して東京から盛岡に来たし、60分も歩いてレンタカーを借りてしまった。さてどうしよう、別の日の外来を希望すると1週間後に空きがあった。

病院の空きがあっても、レンタカーの空きがないと外来へは行けない。タクシーを普通に使ったら、病院まで往復で1万円は軽く超えてしまうので、仮押さえだけしてもらった。

病院との電話のやりとりの中で、インフルエンザの話が出た。今回の外来の目的は認知症だけではなく、インフルエンザの予防接種もあった。

母はデイサービスに週2回行っているので、他の利用者さんからインフルエンザをもらう可能性もある。なので、目的を予防接種に切り替えて、結局病院へ行くことにした。

レンタカーは空きがあり、ものわすれ外来は1週間後になった。レンタカーは6時間借りたし、コロナも落ち着いているので、2年ぶりに母を外食に連れて行くことに。2か月前に予約したレンタカーもしっかり活用でき、ムダになることはなかった。

母に曜日を尋ねると?

病院へ向かう途中、車の中で母が何度も「今日は、何曜日?」とわたしに質問してくる。

おそらく病院で認知症のテストがあるから、その予習のためにわたしに何度も聞いてくるのだと思う。わたしは「てきとうでいいから、何曜日か答えてみて」と言ってみた。

なんでそう言ったかというと、最近の母はめっきり言葉が出なくなっているから。何て答えるのだろうと思ってしばらく待っていたら、母が「さん曜日」と答えた。聞き直したら、また「さん曜日」と。

さん曜日。どうやら、3日と曜日が混ざってしまったらしい。でも18日だったし、3は関係ない。「曜日はね、日月火水木金土」と教えると、そこは理解できた。ヒントを出すと分かるけど、自分では本当に言葉が出なくなった。いよいよ曜日まで、怪しくなってきた。

病院でインフルエンザの問診票を書いてもらったのだが、母は自分の名前が漢字で書けない。生年月日はなんとかなるが、自宅の電話番号も忘れてしまっていた。

今月頭に実家に帰ってきたときは、調子いいかも?と思っていたが、そこからは調子の良さは見られずじまい。言葉が出てこないから、あれがこれして、あーなったって言う。月曜から夜ふかしの「あれおじさん」のもっとひどい感じが、うちである。あれおじさんは面白いけど、うちのは笑えない。

病院後の外食

もの忘れ外来が終わったあとはいつも、盛岡市内のグルメを堪能するのがお決まりコースだった。しかし、コロナ禍で外食は全くいかなくなった。たしか、ダイヤモンドプリンセス号の騒ぎの頃から行ってないので、ほぼ2年は母と外食していない。

岩手はコロナの感染者はほとんどいないし、いいかげん日常をとり戻したい。そこで焼肉屋で盛岡冷麺を食べることにした。焼肉屋ではやはり、コロナ対策で電話番号と名前を書かされた。

認知症が進行してしまって、母はたくさんのメニューから好きなものが選べない。おそらくメニューと名前と味がリンクしないのだと思う。なので、わたしが盛岡冷麺を選んでみた。

盛岡冷麺と焼肉を食べる

「あら~、冷麺、久しぶりだごど!」の反応を期待したのだが、「この冷たいの、冬でも食べるの?」と、盛岡市民らしからぬ反応。50年近く食べているであろう、冷麺の存在を忘れてしまっていた。そうか、冷麺も厳しいか。

来週、改めてものわすれ外来へ行くので、2回目の外食を楽しもうと思う。回転ずしだったら、ネタは分からなくても、自分で選べるかもしれないから、チャレンジしてみようかな。母が何も分からない前提で、これからは接していかないといけないかもしれない。

音声配信voicyの最新回は、認知症の人のお風呂のお話です。

今日もしれっと、しれっと。


【10分で聴ける音声配信】 → 『ちょっと気になる?介護のラジオ』

 


【わたしが書いた最新刊】
近距離、遠距離に関わらず、認知症の親と離れて介護している方や介護が始まるかもしれない方に向けた新ジャンルの介護本です。図表とカラーで分かりやすく仕上げ、本の内容はNHKあさイチなど多くのメディアに取り上げられました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US

工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。岩手にいる認知症&難病(CMT病)の母(78歳・要介護2)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて10年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。Voicyパーソナリティ『ちょっと気になる?介護のラジオ』。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。
【著書】親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)ムリなくできる親の介護(日本実業出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか