認知症の経過報告(2年と29週・30週間目) 新米の季節になりましたね?

新米

ある日のこと、地元のテレビ番組を見ていると、女性アナウンサーが視聴者にこんな悩みを打ち明けました。

アナウンサー
寒くて灯油ストーブをつけようと思って、灯油を出したんですね。その横にお米を置いておいたんです。そしたら、灯油のにおいがお米にうつってしまって・・どうしたらいいでしょう

番組冒頭だったので、その後視聴者よりご意見が集まりまして、

視聴者
お米は臭いを吸収しやすく、一度臭いがつくととれなくなります。残念ですが捨てましょう
視聴者
袋に入っていても、簡単に臭い移りします。迷わず捨ててください

へぇー、そういうもんなんだぁ~

そういえばお米の在庫がないなぁ・・ということで、買い物リストに 「お米」 を書いて、母に渡しました。

母のヘルパーさんへの不思議な気遣い

母は、ヘルパーさんに不思議な気遣いをします。それは、

「買い物リストに重い物があった場合は除外する」 

これ、よくやります。ヘルパーさんは車で買い物に行くのですが、以前のヘルパーさんが徒歩で買い物をしていたため、重い物はダメ!と思っているんです。優しい・・・

先日も、毎日コーヒーに砂糖2杯入れて飲まないとだめな母のために、買い物リストに 「グラニュー糖2袋」 と書いて外出。用を済ませ帰宅して、ヘルパーさん記載の伝票を見ると、グラニュー糖がない!どうせ米も買ってないよな・・・、え、あるっ!

重さの基準がよく分かりませんが、

わたし:ホワイトボードに買い物メモを書く → 母:紙に書き写す(重い物除外する) → 必ず8割の買い物になり、結局自分が買いに行く

ほとんど、このパターンです。今回、購入したお米は新米5㎏。珍しいこともあるもんだ・・そう思いながら、古い米を使い切るまで台所の脇に置いておきました。

そして、わたしが東京へ帰る日。

米びつの古い米が無くなったので、わたしが補充することに。これをやっておかないと、母は米をどこかにしまって、最終的にはお米がない!といって、また買ってきてもらうことになるからです。

で、スーパーの袋に入った米袋を「ヨイショっと」持ち上げると、何やら底に物体が。

「に、に、にょ、尿パッドぉーーーーー(使用済)」

台所の脇にスーパーの袋がある場合、母はゴミ袋と認識して捨ててしまうんですね。よりによって、新米に尿パッドって。(豚に真珠、猫に小判、新米に尿パッド・・・ことわざか?)

 

<新米に尿パッド>
なんでもすぐ吸収してしまうことから、覚えがいい飲み込みが早いという意味

しょうもなっ!冒頭の番組視聴者は言ってました、米に臭いがう・つ・るって!!

東京で2週間を過ごし、再び実家へ戻り、数日経って、自分のブログネタ帳 「お米ネタ」 の文字を見て、青ざめたんです。

「も、もう、食べてる・・・何食も」

わたしは補充はしなかったのですが、母が珍しくわたしが不在の間に補充してまして(笑)

新しいタイプの怪談でした・・・、今現在、わたしも母も元気です。新米の季節ですね?

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか