ライフシフトに見る人生100年時代と介護離職の関係

ライフシフト

リンダ・グラッドンさんの新刊「LIFE SHIFT」という本を、最近読み終わりました。いきなりですが、こちらの引用から始めます。

過去200年間、平均寿命は10年に2年以上のペースで延びてきたのだ。いま20歳の人は100歳以上、40歳以上の人は95歳以上、60歳の人は90歳以上生きる確率が半分以上ある

この文章を読んで、どう思いましたか?

日本では100歳を迎えた人に贈られる銀杯の数が、1963年は153個、2014年は29,350個になったそう。確かに、長寿化しています。長寿化の原因はふつうに医学やテクノロジーの発達もあるのですが、たばこの啓蒙活動など健康に対する意識が高まっていることもあるそうです。

わたしは、自分が100歳まで生きるか分からないけど、ヤッター!って喜びました。長寿化すると、わたしたちの職業人生はどう変わるのでしょうか?

40代~50代の人は、働きはじめたとき、60代で引退するつもりだっただろう。しかし、あなたの職業人生は、少なくともあと25年続く可能性が高い。しかも、これから訪れようとしているのは、スキルの価値が瞬く間に変わる時代だ。そういう時代には、手持ちのスキルでよしとせず、新しいスキルの習得に力を注がなくてはならない。

長寿化とセットで、働く期間も長くなります。60歳過ぎたら、もう働きたくない!と考えながら仕事している人は、かなりへこみますよね。しかも、今のキャリアやスキルは使えない・・・

この「LIFE SHIFT」という本には、3ステージ(教育→仕事→引退)という順番が当たり前で、一斉行進であった時代が終わると書いてあります。3ステージではない、マルチステージの時代では、人生の節目や転機が次々と出現します。大学生と言われても、年齢が推測できなくなり、年齢とステージがイコールで結びつかなくなると書いてあります。

レクリエーション(娯楽)ではなく、自己のリ・クリエーション(再創造)に時間を使うようになるのだ。「労働時間の節約は自由時間を増やす。つまり、個人の発達を完成させるための時間をもたらすのである」

働いて休む、その余暇時間をレクリエーションで「消費」するのではなく、無形資産に時間を「投資」するようになるそうです。有形資産はお金などイメージできますが、無形資産とは何か?スキルと知識、評判、仲間、健康、自分をよく知ること、新しい経験に対して開かれた姿勢などを指します。

いくつになっても勉強して、世代を超えた交流が深まります。長寿化や働き方の変化によって生まれた時間は、ただ休むのではなく、自分への投資の時間になるそうです。本を読んでいて、わたしは楽しい時代がやってくるなぁとワクワクしました。

介護離職という「ラッキーな」できごと

わたしはめちゃめちゃラッキーだったのは、半ば強制的に介護離職の道を突き付けられたことで、会社員生活と決別しなければいけなかったことです。

「新しい経験に対して開かれた姿勢」はいつも持っていて、この4年間は毎日新しい経験だらけでした。そもそも、まともに文章を書いたことがなかったし、会ったことのない医療・介護職の方々と次々出会いました。今までのキャリアは、まるで関係ありません。

ただただ好奇心だけでしたが、なんとか生活できています。介護離職ではなく、急激な時代の変化によって、誰にでも今後訪れることだと思います。今の段階では、わたしが特殊な働き方、生き方をしているように思われますが、何年か経つと、別に特別なことではないと考えています。

長生きが当たり前の時代=100年ライフがやってきて、働く期間も長くなる。その時間をどう有効に使うかは、個人にかかっています。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか