出版を通じて起きてしまったわたしの中のパラダイムシフト

昨年10月末に本を出版して、5か月ほど経過しました。

電子書籍を作ったときは、文章、表紙デザイン、校正、販促プロモーションすべてひとりでした。商業出版は出版社、出版エージェント、書店の皆さまなど、多くの人と関わってお仕事しました。

一番大きかったのは、多くの人に手にとって読んでもらったことです。お医者様を始めとする医療関係者の方や、介護職の方からもメッセージを頂き、いろんな層の方に読んで頂いたことを実感しました。

そういった外部環境の変化とは別に、わたし自身が大きく変わる「パラダイムシフト」がこの歳で起きました。モノの見方や認識の仕方が変わったという意味です。

今までなんとなく見ていたモノが、作り手の立場で見るようになってしまったのです。例えば、

一発屋芸人や一発屋の歌手
→ ”あの人は今” 的な扱いを受けるけど、そもそも一発当てただけでもすごい!

駅前で歌うストリートミュージシャン
→ ひょっとしたら戦略ないのかもしれないけど、一歩踏み出して行動してるだけですごい!

出川哲朗
→ いつまでも一線級でテレビに出続けるなんて、すごい!

あるイベントで客が3人しかいないのに、しれっと発表している人
→ 人数とか関係なく、きっちりパフォーマンスしてるなんてすげーな!

前なら素通りしてるし、別に気にも留めなかったことが今はこんな感じです。

勝手に向こう側に立って、物ごとを考えるようになってしまっています。見るもの見るものが「すげー」、アホみたいですけどこんなテンションです。作り手の苦労を、勝手に感じています。

初めて電車に乗った3歳のとき、ずっと立膝ついて窓の外を見ていたそうです。あれから40年、今まさにこの状態。何が違うかって、鼻垂らしてるかどうかだけ。興味レベルは3歳のときと、そう変わりません。

20代だったらもっと面白いのにと思う事もあるのですが、たぶん60歳になったときに「40代ならもっとできたのに」とか言いそうなので、やれることはドンドンやろうと思ってます、てかやってます。

2016年に入って、ホントいろんな方にお会いしました。興味深いお話をたくさん聞いて、認知症や介護について深く深く勉強しました。

出版してブログのアクセス数が急増したか・・・いや、そうでもないです。Facebookページいいね!してくださった人が増えたか・・・いや、急増はしてません。ただ、じわじわ増えている感じが、とてもいいです。

好きなコトバは何ですか?と言われたら、「諸行無常(常に変化していて、永久不変なものなどない)」というのですが、それを楽しめればなと思っています。

母親はできれば、この状態をあと5年くらいキープして欲しいのですが、こちらこそ諸行無常だと思うので、うまく波に乗れるようになりたいと思っています。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

経験を通して視点が変わり、人生観が変わる。
人との出会いが広がり、人生観が深まる。
人間力が増しているクドヒロさんは素晴らしい!
益々のご活躍を期待しております。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか