認知症の医者選びで大切なのは「傾聴力」

認知症 医者選び

お世話になっている認知症の先生とのおつきあいは、3年目に突入しました。

久々に新しい医師に、母の認知症ではない病気(シャルコーマリートゥース病)を診てもらったのですが、妙な違和感を感じました。

くどひろ
こういうお医者さんが普通だよなぁ~、でもなんだろ?この違和感は・・・

診察がダメなわけではありません、至って普通の診療です。しかし、何かが違うのです。

コウノメソッド2013をおさらいしてみる

少し古いのですが、認知症でおなじみのコウノメソッド2013にはこう書いてあります。

医師を育てるのは、患者や家族である。肩書のある医師でなく謙虚な医師を選べば、道は開ける。謙虚な医師たちが、混迷する認知症の現場を将来支えてくれるようになる。引用元:コウノメソッド2013

すっかり慣れてしまっていたのが、謙虚な医師の傾聴姿勢です。認知症は本人や家族との会話が大切で、他の病気とは少し違います。シャンとしてしまう認知症ご本人のウソを見抜く必要もあります。だから「傾聴力」は大切で、話を聞かない医者とかあり得ません。

他の病気は、患者本人の体やレントゲン写真などで症状をつかんでいくわけで、本人との問診もありますがそこまで家族の会話に傾聴しません。医者としての経験の方が、話よりも主体だったりすることもありますよね。(認知症でもこういう先生がいますが・・・)

違和感の理由

シャルコーマリートゥース病は、認知症以上に分かっている先生がいません。コウノメソッドの影響もあって、神経内科の先生には遠く及びませんが、市民講座に参加したりマニュアルで勉強してます。

要はわたしの “うぬぼれ” が違和感の理由で、認知症の時のようにもっと家族の話を聞いて!と思っちゃったんですね。いかんいかん・・・すっかり「傾聴」型の認知症の診断に慣れてしまって、普通の診療を忘れてました。

この日は病院のハシゴだったので、コウノメソッド実践医にこの想いをぶつけました。

くどひろ
改めて先生はお話しやすいですよね、久々に普通の医者というか、THE医者に会った気がしましたよ

ちなみにシャルコー病も認知症と同じく完治しないので、来なくていい!という先生も多いんです。リハビリを継続するための診療だったので形式的なものと分かってはいたんですが、こう思いました。

認知症の先生は、特に納得いく先生の診断を受けないとストレスがハンパないなぁ~

って。終わりが見えないですからね・・・ずっと納得いかない医師に我慢して、長い期間診療を受けるほどつらいことはないなって改めて思った1日でした。やっぱり「傾聴力」って、医者選びにはとても大切な要素です、認知症は特に。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか