どんな人が成年後見人をしているかの内訳データ

成年後見人とわたし

認知症の記事ばかり書いてますが、つい最近までやっていた 「成年後見人」 も “認知症” と密接に関わるものです。自分で判断ができなくなったら、本人の代行をするのが 「成年後見人」 です。

もし認知症の介護をされている方でご興味があれば、このブログのカテゴリ 成年後見人を最初から読むと、始めるきっかけから手続き、職務内容、終わり方までの体験記が読めます。

閉鎖登記事項証明書

成年後見人を終えると、こういった証明書が法務局より発行されます↓

今日は、裁判所の成年後見人データ(平成24年版・最新)を再加工した話です。12ページでシンプルな資料なんですが、実件数よりもパーセントの方がいいかなと思い、こちらではパーセント表示にしました。

成年後見人の申立の区分は?

成年後見って、後見・保佐・補助 の3段階に分かれます。後見は判断能力が全くない人、保佐は少し判断できる、補助はなんとか判断できるそんな感じです。これがどれくらいの割合で、裁判所に申立(申請)されているかというと、

成年後見1

圧倒的に “後見” です。結局、認知症本人が判断能力が不十分でも、まだ判断できるうちは自分で判断させたい! そう思うのが普通なので、補助のレベルで申立する人は、ほとんどいないというデータです。保佐や補助だと、代行できる範囲も裁判所が制限してしまうので、後見人としての自由度もないですよね。

成年後見人の申立の動機とは?

成年後見3

成年後見人になる理由が上記です。うちもこの1位の預金の管理・解約が理由でした。認知症の母(70歳)は、部屋の模様替えや整理整頓が大好きで、祖母の預金通帳まで整理整頓して廃棄しちゃったんですね(笑)

祖母が子宮頸がんで入院した時に、祖母の預金で病院代を賄おうと考えたわけですが、孫と言えど銀行からの引き出しはできません。そこで成年後見人になって、銀行を回って口座があるかどうかを探し、新しく口座を作り直したわけです。

うちは特殊ですが、認知症も進行するとお金の管理も難しくなります、その代行です。

介護保険契約って、施設に入所する時に本人に代わって契約することです。こちらも認知症では厳しいですよね、わたしも病院手続きやりました。たぶん聞いたことがない身上監護については、以前の記事 で解説しています。

相続は本人(認知症の人)の兄弟が亡くなって、遺産相続をしたいんだけど本人が手続きできる状態じゃないと。代わりに奥さんが成年後見人になって、相続手続をしたみたいな話です。

成年後見人は誰が申立をするか?

成年後見2


わたしは2位の、その他親族(孫)にあたります。3位に市区町村長がランクインしているのには、親族がすでにいなかったり、いてもこの後見人に反対する人だったり、虐待なんかも含まれます。

誰が成年後見の役割を担っているか?

成年後見4



このグラフだけ、元グラフの転載です。第三者という意味では、司法書士さんが一番なんですね。弁護士や社会福祉士も上位なのですが、以前ご紹介した市民後見人も、少しですがいらっしゃいます。

わたしは “その他親族” なので、かなり少ない方ですね。元データには地域別の申立件数もあり、はっきりと後見人を活用している地域と、そうでない地域があります。わたしがいる地域は、少なかったなぁ・・・

下記サイトが元データです。裁判所だけに事件扱いなんですよね・・・タイトルをもっと柔らかくしないと、誰にも見てもらえないと思いますよ。わたしも裁判所によく電話しましたが、自分の事を “事件番号” で伝えました。平成24年××号です!って。

認知症700万人時代の失敗しない「成年後見」の使い方

認知症700万人時代の失敗しない「成年後見」の使い方

鈴木 雅人
2,560円(11/21 18:39時点)
Amazonの情報を掲載しています

にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか