成年後見人の証明書は「登記事項証明書」であって「審判書謄本」ではない!

成年後見人になるために必要な書類作成をして裁判所に提出、その後どうなったかというお話です。素人には本当に分かりづらいのが、この1ヶ月だと思います。わたしはここでミスしてしまったので、このミスはみなさん犯さないでください!

成年後見人に選ばれた場合って、最初はどうなるの?

まず親展扱いの書留で郵送されてくるのが、審判書謄本、事務報告書、成年後見人の職務について この3つが送られてきます。わたしはこの段階で、

くどひろ
やった!苦労したかいあって、やっと成年後見人になれたよ!

って思ったんですが、これが間違いだったんです!

審判書謄本とは?

A4の紙1枚に、家庭裁判所の裁判官のお名前、そして担当の裁判所書記官の印鑑が押してあって、こう書いてあります。

主文
1.本人(この場合は祖母)について、後見を開始する。
2.本人の成年後見人として次の者(わたし)を選任する。

ここまで書いてあったら、てっきりこれが成年後見人のパスポートって思うじゃないですか?わたしはそう思って、認知症の母によって捨てられた預金通帳の復活手続きに銀行、郵便局と3つほど行脚しました。

登記事項証明書が成年後見人の証明書

わたしは、審判書謄本の受領で後見人になったと勘違いしていました。ここからが何度読んでも意味不明なのですが、

後見人等が審判書謄本を受け取り、2週間が経過すると審判が確定します → 審判確定後に裁判所が東京法務局に対し、後見等開始及び後見人等選任の登記を行います → 登記終了後、裁判所からあなたへ登記番号をお知らせします。(審判確定後あなたに登記番号をお知らせするまで、概ね1ヶ月かかります)

しばらくすると、登記番号通知書が来まして、どうやら登記されたなと。でもって、この番号で今度は登記事項証明申請書に番号を書いて、収入印紙を550円貼って近くの法務局へ行けば、やっと登記事項証明書という成年後見人の証明書が手に入ります。

実物がこちらですが、閉鎖という文字と一番下の2行をカットすると登記事項証明書です。お世話する方が亡くなると、こういったものがもらえます。全く同じフォーマットです。

閉鎖登記事項証明書
登記事項証明書(こちらは閉鎖)

弁護士や司法書士は、こうした手続きを代行して報酬を得ます。自分は法務局の大将的な存在である、法務省東京法務局 後見登録課まで、直接行ってやりました。 

そしたら何がびっくりしたかって・・・地方の法務局はガラガラだったんですが、さすが東京。免許更新の免許できあがりました!的な電光掲示板があるわ、人もいっぱいいて驚きでした。

先ほどのオチですが、わたしは審判書謄本のみで金融機関を回り、さんざん待たされた挙句、手続き不可でした。遠距離介護でしかも地方都市ですから、金融機関の方もセイネンコウケンニン?的な反応で、対応してくださる方も店長とか課長以上ばかり。

しかもみんなセイネンコウケンニンのマニュアルを持参で、その場で調べるから・・・1銀行2時間なんてこともありました。

ちなみに正解は、審判書謄本と確定証明書(これも別途手続きを申立した裁判所へする)が必要で、そんなのしらねーよ・・・という感じでした。意味もなく、こちらは東京から来ているアピールを金融機関の人にしてみたんですが、さすがです。完全スルーでした。

この時点で最初に裁判所行ってから3か月が経過してます、東京と実家のやりとりでしかも仕事しながらですから、やっぱりハードです。でもこの手続きは勉強になったし、わたし自身は面白かったです。金融機関もそうですし、法務局もそうですが、平日対応なのでかなり休みました。

しかし分かりづらい・・・わざと分かりづらくしているのかな?

認知症700万人時代の失敗しない「成年後見」の使い方 第2版

認知症700万人時代の失敗しない「成年後見」の使い方 第2版

鈴木 雅人
1,870円(03/28 11:19時点)
Amazonの情報を掲載しています

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

謄本だけでは駄目だと知らされなかった。その後どうにもならないのですか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか