2021年8月に発売されたばかりの『今日から成年後見人になりました(第2版)』(自由国民社)。
第1版は2013年11月に発売されていて、ちょうど祖母の成年後見人のお仕事が終了した月です。情報が少ない中、介護家族として成年後見制度と向き合い、この本があればもっとラクに成年後見人の役割を果たせたのにと思ったものです。
なぜこのタイミングで第2版?と思ったのですが、おそらく2019年のこのニュースも影響しているのかなと思いました。特に認知症介護をしている家族に、関係するお話です。
最高裁判所は18日、後見人には「身近な親族を選任することが望ましい」との考え方を示した。後見人になった家族の不正などを背景に弁護士ら専門職の選任が増えていたが、この傾向が大きく変わる可能性がある。
引用元:https://www.asahi.com/articles/ASM3L54SDM3LUCLV00X.html
元々、家族によるお金の使い込み(横領)が増え、専門職後見人(弁護士、司法書士、行政書士など)が後見人として任命される割合が増えていったわけですが、専門職も家族ほど件数は多くないのですが横領するケースがあります。(専門職のほうが使い込む額がかなり大きい)
第1版のデータでは、親族後見人の割合が48.5%とありますが、第2版では19.7%となっています。親族が後見人になれる割合が減ってきたのですが、この流れが変わるというニュースです。
実は、認知症の方が増えるこれからの時代、認知症ご本人の財産を守るためにも成年後見制度の利用を促進させたいようですが、増えていません。手続きが複雑なこともありますが、このブログのコメントに寄せられていた専門職後見人への不満の声もきっと、他から多く寄せられていたのではと思います。
専門職とのコミュニケーションや金銭管理に関する不満、専門職に対して月数万円の支払いがあるのに、それに見合った仕事をちっともしてくれないなどです。
わたしが成年後見人だった2013年は、銀行に行ってもキョトンとされましたし、まだ家族でも成年後見人になれる時代でした。専門職への支払いはなく、その分は裁判所からの指示で、祖母の口座から報酬としてわたしが頂きました。
定期預金を代わりに解約しようとしてできない、施設に入るために実家を売却しようとしてできない、認知症の人が相続人になったけど判断できないなど、認知症介護中の方にとって、実は身近な制度なのですが、あまり知られていないのが現状です。
第1版との違い
第2版なので、そこまで大きく内容は変化していません。後見制度支援信託のトピックをしっかり取り扱っていること、直近のニュースとして、全銀協が限定的ではありますが、認知症の人に代わって、親族の引き出しに応じる話が追記されています。
まとまった資産があると、首都圏を中心に裁判所から後見制度支援信託の利用を勧められるのが直近の傾向です。信託銀行などに口座を開設して、一部のみお金の出し入れができるようになるのですが、こちらは手数料が高すぎるという家族の声があります。
結局、家族のお金を管理するのに、なんで他人にお金を払わないといけないの?自由にできないの?手数料がかかるの? といくら説明を受けていても思う人がいますし、家庭裁判所は認知症の人の財産を守るために厳しく動くしで、見ている方向がそもそも違います。
介護家族がこの制度を前もって勉強する人は少なく、なんとなく銀行に言われて手続きしたら、お金がいろいろかかって驚き、不満がたまっていくように思います。なので、この本であらかじめ勉強しておくといいです。
成年後見制度の本を何冊か読みましたが、やはり書類のサンプルが多く載っているこの本はとても分かりやすく、最もオススメです。
音声配信voicyの最新回は、わが家の介護費用が途中で急に黒字転換するようになったワケです↓
今日もしれっと、しれっと。
おはようございます。
今朝未明の東北の地震でお母様、実家は大丈夫でしたか?
一人暮らしの認知症親を遠距離介護していると災害時には本当に心配だし困ることが多いですね。
またの機会に災害対応の準備などもお知らせいただければと思います。
おじゃるんさま
ご心配、ありがとうございます!
カメラで見ている限り、特に変化はなく無事なようです。