「介護と仕事の両立」がいつも正しいとは限らない

『仕事とわたし、どっちをとるの?』

恋愛においてドラマで観たり、実際に遭遇する話です。これが、

『仕事と介護、どっちをとるの?』

となると、ほとんど聞いたことがありません。この言葉は自分自身に対して、投げかける質問であるケースがほとんどだからです。

『仕事と介護、どっちとったらいいんだろうか・・・』

という具合に、自分自身に問いかけ悩むわけですね。

答えはいうと、恋愛ドラマだとこうなります。

1.『君も大事だけど、仕事も大切なんだよ!わかるだろ?』 → 両方をバランスよく
2.『何言っているだよ・・・、君に決まっているだろ?』 → 片方だけ

わたしの場合、どのような選択だったのか?

2.を選択したのが、わたしです。多くの人は経済的な理由で、1.を選択するのではないでしょうか?『仕事も介護も両立する!してみせる!』 そう考える人が大多数なような気がします。でも、わたしは2.を選択したのは理由がありまして、

  • 祖母も母も、遠距離に住んでいたこと
  • 会社に在籍して1年が経過しておらず、介護休暇が使えない。(しかも無給)
  • 職場のポジションがリーダー的役割であったため、休みがちになるのはチームに迷惑がかかる
  • 病院の手続きや支払い、医者の家族への説明なども、基本は平日
  • 祖母の余命が半年と言われたこと、母もそれが原因でさらに認知症が悪化したこと
  • 認知症も今ならまだ、進行を遅らせることができると思った

そして 『後悔したくない』 というのが、一番でした。未来介護プロジェクトというサイトの代表者、小黒さんのお父さんへの後悔のメッセージを目にした時に、自分の決断に対して 『正しい!』って思えるようになりました。当たり前ですけど、命の優先順位って一番なんだなぁって。

仕事と介護を両立するのは、ステキなこと?

日本人の感覚として、仕事と介護を両立するのは美談として語られます。でもわたしは、そうじゃなくてもいいんじゃないかな~ って思っています。仕事に集中して打ち込む期間があり、一方で私生活を優先させて、介護や勉強、ボランティアなどに打ち込む期間を作る。カスタネットのように、打って♪ 休んで♪ また打って♪ ・・・

もちろんこの生活を選択するには、ある程度の蓄えが必要です。そして、社会復帰できるかどうかも不安です。ただ、この選択をしたおかげで、自分の肩に乗っているいろんなものが見えました。

それは 『たくさんの必要のないもの』 たちです。貨幣経済に、完全に巻き込まれているな・・・そう思いました。こういう生活を選択した事を機に、定期的に支払っていたいろんなものを解約したり、プランを見直したりしてかなり支出も減らすことができました。

わたしはまだ遠距離介護が始まったばかりですが、先人たちの苦労をネットで読みました。だからひとりでがんばろうとしないし、頼れるものは頼ります。そして、自分の楽しむ時間もしっかり作ります。介護もやるけど、私生活もしっかり充実させます!わたしの場合はこれに仕事が加わったら、間違いなく自分が破たんしそうだったので、こういう選択をしました。ポジティブにわたしは考えてますが、意外と周りの方が心配してますね・・・

介護者がだめになってしまったら、介護される側はもっと不幸です。この生活がうまくいったら、いろんな人に話せるなぁ~ って今ブログに書いちゃってますけど(笑)

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ABOUTこの記事をかいた人

1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。ものがたり診療所もりおか地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護1)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年より悪性リンパ腫の父も、別拠点で在宅介護中。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)認知症ONLINE(ウェルクス)、著書:医者は知らない! 認知症介護で倒れないための55の心得 (廣済堂出版)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)