月10万円かかった遠距離介護の交通費をどう節約したか?

遠距離介護 交通費

東京から岩手までの遠距離介護にかかる費用が、とうとう月10万円を超えました。これをどう節約していったかの体験談です。

遠距離介護でかかる費用ベスト3

わたしは祖母の成年後見人なので、財産管理を任されています。収支予定表を家庭裁判所へ提出する必要があるため、祖母の収支状況(家計簿的なもの)を毎月管理しています。その結果から、わが家でかかる遠距離介護でかかる費用ベスト3は、

  1. 医療費:医療費がダントツで、これには病衣代や食事代も含んでいます
  2. 交通費:遠距離介護の費用の約3割が、交通費です
  3. 雑費: おむつ代が結構かかっていて、次がパジャマ代です

最初の頃は緊急性が高かったので、駅で新幹線チケットを買って乗りました。これだとなんの割引もないので、1回ならまだしも何往復もするとえらい金額になります。これを何度もやった結果、交通費が月10万円を超え、なんとかしたくて節約に乗り出しました。

遠距離介護の交通費は介護割引がきく?

遠距離介護の交通費節約は、飛行機なのか、新幹線なのか、高速バスなのかで介護割引率が異なります。手続きは面倒ですが、飛行機には約3割の介護割引があります。新幹線はありません。高速バスも介護者自身の割引はありません。

JR東日本の場合、えきねっとを使って新幹線チケットを買うと10%~50%安くなります。時期によっては、深夜バスと新幹線がほぼ同じ金額なんて事もありました。わたしは35%offの新幹線をよく使います。わたしがやった遠距離介護の交通費の節約法は

  1. インターネットを使って、新幹線のチケットを取る
  2. チケット予約はとにかく早くやる。1ヶ月ちょっと前からチケット予約をする
  3. 深夜高速バスを使いまくる (これはやってはダメ。疲れます)

金券ショップよりも、ネット予約の方が断然安いです!35%offのデメリットは各駅停車だったり、指定の新幹線に乗らなくてはいけません。

またチケットを購入した後にもしスケジュールが変わった場合、払い戻し手数料が高いです。深夜バスもネット割や早割はあります、わたしの場合は深夜バスでも1000円くらい節約できました。

遠距離介護の交通費を介護者が負担しない

結局、わたしは成年後見人になって、遠距離介護の交通費負担を家庭裁判所に認めてもらいました。交通費の節約はもちろんやりましたが、結局自己負担ではなく、認知症の祖母の口座から交通費をもらっています。

実は家庭裁判所に最初確認した時は、この交通費は認められなかったのですが、あまりに交通費負担が多いという事を申し出をしたら、介護費用として認めてもらうことができました。

祖母の財産は減ってしまうのですが、そもそも祖母の介護や手続きのための帰省です。介護する側にも家族もありますし、介護者自身の財産を守る必要があります。介護される家族の財産から交通費は捻出すべきですし、他の介護費用も基本はそうしたほうがいいです。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

今まさに北海道の母を東京に呼び寄せようとしているところです。
わたしのネックは交通費もあるのですが自分の予定が立てられないところです。
母は家電を何度も買い換えたり、支払いの済んだ税金などを何度も払うと言いだしたり、
お金の管理が難しくなっています。
電話で話しても分からない、いついつ誰かがお金取りに来るから送金しての繰り返しです。
同居以外の方法を思いつけなかったのですが、皆さんどうされているんでしょうか?

猫屋万年堂さま

コメントありがとうございます。

認知症の場合、呼び寄せによる環境の変化がどう影響するかは考えるところだと思います。わたしはできるだけ環境を変化させないほうがいいと思い、母を岩手に残したままで、ケアプランを充実させています。ヘルパーさんや看護師さん、理学療法士さんが毎日来ますし、デイサービスも2年かかりましたが行ってもらっています。お金もわたしが管理していて、現金以外のキャッシュカードなどは母にはもたせてません。さらにいろんなケースを知りたい場合は、都内でしたらパオッコさんのパオッコサロン(無料)に参加してみてもいいかもしれません。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか