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毎年恒例の認知症テスト、今年は何点?

毎年1月は、認知症の母がものわすれ外来で改訂長谷川式認知症スケール(30点満点)を受ける月です。2024年は1点、さて2025年の結果は?

点数はアップした、でも……

結論からいうと、2025年は4点でした。3点アップしたので、認知症の症状がよくなったと勘違いされるかもしれませんが、そうではありません。テスト結果の写真がこれです。

2025年のテスト結果

今年は何年かぶりに、母の真横でテストの様子を黙って聞いていました。アルツハイマー型認知症の特徴として、答えが分からなかったり、自信がなかったりすると近くにいる家族に答えを求める「振り向き徴候」が見られることがあります。

以前の母はまさにこれだったので、テストに同席せず影で母の答える様子を聞くようにしていました。しかし1点までくるともう、そういった徴候もないだろうと考え、母の隣に座ったのです。

予想どおり、母はわたしに答えを求めることもなく、ただひたすら質問と関係のない、意味の通じない話や言い訳(前もって教えてくれたらできたとか)を繰り返していました。それなのになぜ、4点も取れたのでしょう。

採点基準が違っていた

改めて採点方法を看護師さんに確認したのですが、どうやら昨年の採点が間違っていたようです。「桜、猫、電車」これをすぐ後追いで言えたら3点入るのですが、昨年はこれが入ってなかったようです。

昨年も今年も正解した場所は同じで、「桜、猫、電車」と「682を逆から言う」、これで4点でした。あと時計描画テストといって、時計を紙に書いて10時10分の針を書くのですが、すでに数字も書けなくなっていました。

正直、重度まで進行した母がこのテストを受ける意味は、もはやないかもしれません。でもわたしとしては、母の答え方で認知症の状況が分かるので、去年と同じでよかったと思いますし、低位安定といえばいいでしょうか。そんな結果でした。

今日もしれっと、しれっと。


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工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【著書】
親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか

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