盛岡駅で地元小学生に声をかけられて、もらったもの

わたしが帰京する日のスケジュールは、こうだ。

まず、朝ごはんを食べる。ふだんは7時30分から食べるのだが、帰京する日は6時30分に食べる。帰京する日はデイサービスへ行く日でもあるため、早めに食べ終わるのだ。手足が不自由で、時間がかかると思っている母は(実際は思っているほどかからない)、余裕をもって行動したいので、朝食も早くなる。

もし、寝坊して朝食が遅くなろうものなら、「デイの準備が間に合わないから行かない!」と言い出す。実際は間に合うのだが、ダダをこねられると面倒なので、母の生活リズムに合わせて、早く朝食をとる。

朝食後は、燃えるゴミを出す。歩くと往復で10分くらいかかるので、自転車を使う。その後、わたしは帰京の準備をしつつ、母がデイの準備ができているか、チェックをする。母をデイに見送った後、わたしはそのままバスで盛岡駅へ向かう、いつもこんなスケジュールである。

盛岡駅についたら、昼食をコンビニで買い、知人へのおみやげを買う。さわや書店フェザン店で1冊本を買って、新幹線に乗る。ほぼルーティーンなのだが、この日だけは違った。

東北新幹線改札のそばで、盛岡のソウルフードである福田パンが山積みされてあった。高校生の頃よく食べた、どでかいコッペパンなのだが、全国的に有名になり、本店では行列ができるほどである。盛岡駅改札のそばでも売っているのだが、下写真のとおり量がすごい!

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どんだけ人気なんだ?と思ってみていると、声をかけられた。明らかに子どもの声だった。

小学5年生
1分間、お時間よろしいですか?

福田パンをみて、すげ~とか思っているぐらいだから、もちろんヒマ。

くどひろ
いいよ~、な~に?
小学5年生
わたしたちは、盛岡ブランドを発信しています!

岩手大学教育学部付属小学校の5年生で、女の子1人と男の子2人の計3人だった。そういって渡されたのが、記事下の写真である。いわゆる「子ども新聞」で、それぞれが盛岡のことについて調べ、記事にしたものだった。

くどひろ
ありがとう、へぇ~すごいね!これって、SNSとかでアップしてもいいの?
小学5年生
はい、大丈夫です!

正直、通じないかも?と一瞬でも考えた、わたしがバカだった。

自分が小学5年生だった1982年当時は、あみんの「待つわ」が大ブレイクして、レコード大賞は細川たかしの「北酒場」だ。深くは書けないが、最近の細川たかしの姿を見ると、正直な母は決まって同じ反応をする、深くは書けない・・・

ネットなんてもちろんなくて、SNSなんてあるはずもない。テレホンカードが発売されて、驚いていた。マッチがハイティーン・ブギを歌い、喜んでた。そんな低レベルな鼻たれ小学生時代のわたしと、同じように考えてはいけないのだ。SNSもアップも通じてしまうのだ。

正直、小学生にはこう言いたかった

この子ども新聞をもらって、思ったこと それは、わたしが今やっているブログと、全く同じだということ。取材したり、自分の体験談を記事にして発信する。それがネットなのか、紙なのかの違いだ。

おそらく「いわて国体」がそろそろ始まるので、他県から来た人に「もりおか」を知ってもらおうという課外授業的なものをやっていたんだと思う。一定時間内に、配布しなさいと担任に言われてやったのだろう。

わたしも小学校のとき、こういう子ども新聞を言われるがまま作っていたわけだが、当時は「やらされ感」しかなかった。しかし、今はブログを書く人も多い。FacebookやTwitterで、自分発信をしている大人たちはたくさんいる。こういう体験は、次へとつながる・・・そう言いたかった。

でも、緊張していて、早くこの場を立ち去りたいというオーラを感じたので、本当に時間にして1分程度だった。盛岡出身なんだけどね?とかいうと、授業のノルマが達成しないかもと思って、黙っていた。盛岡出身だから、もちろん分かってる!と思って新聞を読むと、意外と知らないこともあるものだ。例えば、

  • はちの命は、約20日間
  • 盛岡名物じゃじゃめんは、県産のものをあえて使わない
  • 盛岡は豆腐消費量は、かつて日本一だった

じゃじゃめんが、岩手県産の素材ではないのは驚いた。最高の素材を使うからだそうで、こだわった結果だ。豆腐が日本一でなくなったのも、ちょっと驚いた。

東京と盛岡を4年間往復しているわけだが、初めての経験だ。ちなみに、はちの話は、盛岡と何の関係があるのか・・と思った方、子ども新聞によると、はちみつを作る職人が盛岡にいるそう。新聞の最後は、こう締めくくられている。

はちみつの職人たちは、「はちみつをおいしくあじわってほしい。」というねがいをもっています。ねがいにこたえられるようにしましょう。(原文ママ)

この言い回し、か、かわいい・・・

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

福田パン山積み!うれしくなっちゃいます。
盛岡駅tetote?は、最近福田パン売りきれが多かったので!
くどひろさんが、伝えたいところと違うポイントでのコメント、すみません!(><*)ノ~~~~~

ねーさんさま

いえいえ、何でもコメント頂けるとありがたいですよ。

わたしは朝に帰京することが多いので、いつも福田パンはいっぱいあるのですが、夜はあまりないんですね。なるほど!

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか