隔週金曜日(今日)は、寄稿している介護ポストセブンのアップ日です。何度も書いている「認知症介護家族が必ずたどる4つの心理的ステップ」を、今までの倍の文字数で書きました。すでに知っているという方も、改めてこのステップを復習して、ステキな2017年に向かって頂ければと思います!
太田光代さんの老人ホームへ預けたことへの葛藤
同じ介護ポストセブンの記事に、爆笑問題の太田光さんの奥様で、社長の太田光代さん(52歳)の介護の話がありました。先日、光さんのお母さまが83歳で亡くなったそうです。詳しくは記事を読んで欲しいのですが、わたしが引っかかったのがこのコトバでした。
《文句は言いませんが、やはり本音では施設で暮らすことで無理させてるんじゃないかなって思って…》
《今でも本当にこれでよかったのかと葛藤する自分が、どうしてもいるんです…》
引用元:http://kaigo.news-postseven.com/3084
わたしも施設ではなく病院でしたが、この葛藤や後悔の気持ちはすごくよく分かります。
わたしの病院での葛藤
亡くなった祖母(90歳)は、子宮頸がんでアルツハイマー型認知症でした。がんでまず考えたのは、痛みをどう緩和するかということでした。のちに認知症がある意味、いい感じで子宮頸がんを緩和してくれていたことに気づくのですが、そのときはとにかく痛みを取ろうと、緩和ケア病棟のある病院を選びました。
高齢のため、抗がん剤や外科手術が体力的にできなかった祖母は、放射線治療のみを急性期病院で行い、1か月ほどで緩和ケアのある療養型病床へ転院しました。そこで、早朝に病院内を徘徊しようとして、ベッドから転落、大腿骨骨折をしました。未だにわたしが後悔しているのは、
- 急性期病院では、ベッドの位置をめいっぱい低くしていたのに、療養型病床ではこれ以上下げられないと言われ、それで妥協してしまったこと
- がんの痛みにこだわらず、もっと早く病院から出して普通の生活をさせてあげればよかった
この2つは、今でも思い出しますし、葛藤する日もあります。太田さんの言う「本当にこれで良かったのか」という思いは、たまに頭をよぎります。
そういった後悔があるので、母の介護のときは同じようにならないように、ブログに書いて自分に言い聞かせてますし、読者の方にも「後悔したくないよな~」って思ってもらいたいと考えています。
後悔しないようにするためには、元気なうちに本人の意志を確認しておくことが大切で、できるだけその希望どおりに叶えることで、介護者も後悔しない、エンディングノート使ってねという話は、何度も書いているとおりです。
わたしも何年後かに、施設という選択をする日が来るかもしれません。自分がつぶれず、そして楽しめるどっぷり在宅介護をする期間が、いずれくるだろうとは思っています。
みなさんが今、介護で後悔していることは何ですか?
施設に入れなければよかった、家に呼び寄せなければよかった、もっといい医師を探せばよかった、ケアマネを変えておけばよかった、デイサービスに行かせればよかった、別の施設に変えておけばよかった、新しいお薬を試せばよかった、もっと親に会っておけばよかった、ケチケチしないでお金を使えばよかった・・・いろいろありますよね?
介護する相手への後悔だけではありません、自分の人生も後悔しないようにするためには、何ができるでしょうか?2016年もそろそろ終わります。2017年に向けて、ご自身の後悔を消し去るためにどんな行動ができるか、考える節目の12月が始まりましたよ!
今日もしれっと、しれっと。
くどひろさんこんにちは
父は急性期病院から療養病院へ転院しわずか20日あまりで亡くなりました。無理言っても自宅に戻れば良かったと後悔してます。父は透析を受けていたので その時の私はとにかく透析を楽に受けれる環境を整えることしか考えられませんでした。今になって「父が本当に望んでたことは何だったのか」と考えます。いつもの椅子に座り大好きなコーヒー飲んだり 家族の作ったご飯食べ 焼酎のお湯割りを少し呑むこと それを実現してあげれなかったし 考えもできなかったことが私の後悔です。くどひろさんの本やネットでの情報が母の介護にすごく参考になってます。今なら父にもっとしてあげれたのに…とも思います。
てんさま
後悔が原動力になるといいますか、祖母へできなかったことを母にやっています。1人介護して、1人看取ると後悔が残ってしまいますが、それを2人目で後悔を取り返すことができる環境をありがたいと思っています。お役に立てて、うれしいです!