長谷川和夫先生に聞いた!認知症テスト(長谷川式認知症スケール)を受けるときの3つの注意点

認知症と関わることになったら、必ず最初にお世話になる 「長谷川式認知症スケール」。この認知症テストの開発者が、聖マリアンナ医科大特別顧問の長谷川和夫先生です。

一応、ご存知ない方のために、長谷川式認知症スケールはこちらです↓

「えっ、あの長谷川式認知症スケールの長谷川先生?」

と知っている人は当然なるわけで、早速2時間の講演に参加してきました。またこの講演会に参加すると、「認知症サポーター」 になれて、その証明である 「オレンジリング」 を手に入れることができました。こちらです↓

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講座を通して、認知症の正しい知識やつきあい方を理解し、自分のできる範囲で認知症の人を応援するのが、「認知症サポーター」の役割です。リング自体はお部屋に飾ってますが、今後もブログを通じて認知症の人を応援します!講演会に話を戻しますね。

講演の中で、「あれ?これ聞いたことないな?」 というポイントをいくつかご紹介します。

1.年齢別の 「認知症」 出現率

データがちょっと古すぎる?と正直思ったんですが、下記は平成4年のデータです。「100人あたり各世代でどれくらい認知症になるのか」 というデータですが、

65歳~69歳 1.5人
70歳~74歳 3.6人 → うちの母はココ
75歳~79歳 7.1人
80歳~84歳 14.6人
85歳以上   27.3人

5歳刻みでだいたい倍に増えていくんですね。我が家はやっぱり発症が早い方だ・・・と愕然としました。平成26年の今はどうなっているんでしょうか?数値は、改善はされていない気がします。 

2.長谷川式スケール 施行の注意点

ここに食いついた受講者はいないと思いますが、わたしはこのプレゼンが一番印象に残りました。長谷川先生が言っていた印象的な言葉のひとつに、

「長谷川式認知症スケールは認知症本人には、何にもならない」
「このテストだけが、すべてではない」

と言ったことです。確かにそうなんですが、開発者の長谷川先生がそう言ったってのが、ちょっとびっくりです。開発者ですから、

「認知症本人のためにも、ぜひ実施してください!」
「テストをやれば、すべてが分かります!」

ぐらいの勢いで話すとばかり思ってました。長谷川先生の言うとおりなんですよね、長谷川式認知症スケールはあくまで目安でしかありません。で、肝心の注意点ですが、

1.お願いする姿勢
2.利用者の答え方に注意する
3.1年に1回が原則。特別に行う時には、説明して了解をとること。

認知症本人には何にもならない と言ってたこととリンクしますね。わたしは1年で何回もテストするものだとばかり思っていたので、そんなに何回もテストする必要はないんだなと。確かにテストを受けさせられる、認知症本人からすればストレスでしかありません。

あくまで、”お願いする” という事が大事だそうで、これは目からウロコでした。

こういったブログを書いたり、コウノメソッドのおかげで自分で認知症の勉強をしているせいかもしれません・・・それ以外は新しい発見は特になかったんですが、

「この人が認知症テストを開発したんだぁ~」

ということが分かりました(笑)

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか