認知症の母、「自身の認知症介護」 について語り出す

認知症の母(70歳)が、亡くなって半年が経つ自身の母(享年90歳)の事を、最近やたらと振り返ります。

母:「なんか母さんのこと、最近になって急に思い出すようになったわ~」

わたし:「あ、そう」

亡くなった祖母は、やや高度の認知症でした。徘徊もしましたし、おむつをとって便いじりをしたり・・・至って元気だった祖母に比べ、手足が不自由な母は本当に手を焼きました。祖母が徘徊しても、母は手足が不自由なのでついていけません。

また認知症介護の知識もないので、祖母に対して母は厳しく接していました。(もともとケンカばかりな親子でしたが)

その後、母も認知症になり、わたしへと認知症介護がバトンタッチされたわけですが、なぜに今頃になってやたらと振り返るのか?と。その理由は、家の庭にありました。

母:「見てほら、久しぶりに花が咲くようになったよ~」

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わたし:「そうだね~」

祖母は庭いじりが好きでした。認知症だったので、庭の木の枝という枝を切りまくり、木の幹のみという状態までになりました。それを注意していた母ですが、全然聞く耳をもたない祖母。

母:「ホント、何言っても母さんはわたしの言う事聞かなかったのよね~」

わたし: 「そうなんだ~」

母:「切っちゃダメ!って言っても、勝手に切っちゃうし・・・」

母:「何回も同じこと繰り返し言うしさ、あれには参ったよ~」

幹のみだったのが2年という時を経て枝も復活し、きれいな花を咲かせるまでになりました。認知症の母が、自身の認知症介護を振り返ってます。なんか面白いなぁって。

上記1セットの話を、1日に何回も聞かされるわたしですが、その都度 “心の中” ではこう思ってます。

わたし:「まったく同じこと、今やっちゃってんだけど・・・」

厳密に言うと枝を切りまくってはいないんですが、人の話を聞かないところ、庭いじりが好きなところは祖母と同じです。似てきてます・・・かなり。当たり前ですが本人に面と向かっては言えない、かといって心の中でキープし続けるのもいやなので、ブログで吐き出しております・・


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

1件のコメント

この構造、なんとかならないのかなあ。間違いは間違いと指摘してはいけないのかなあ。わかるわからないの問題ではないと思うんですが・・・。Qちゃん 102歳 おでかけですよー 見てね

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか