たまたま目にした 「感情労働」 という言葉。
「肉体労働(ブルーカラー)」、「頭脳労働(ホワイトカラー)」 に続いて、新たにカテゴライズされたものです。看護師さんや介護士さんなどの介護職をしている方なら、耳にしたことあるかもしれません。ウィキペディアで言葉の定義を見ると、
「感情労働」に従事する者は、たとえ相手の一方的な誤解や失念、無知、無礼、怒りや気分、腹いせや悪意、嫌がらせによる理不尽かつ非常識、非礼な要求、主張であっても、自分の感情を押し殺し、決して表には出さず、常に礼儀正しく明朗快活にふるまい、相手の言い分をじっくり聴き、的確な対応、処理、サービスを提供し、相手に対策を助言しなければならない。
サービス業に携わる方、コールセンター業務、教師、営業 などの職種も含まれ、かなり多くの人がこの 「感情労働」 というところに属しているんだなと。
これは、アメリカの社会学者A.R.ホックシールドさんが提唱した言葉で、著書である 「管理される心、感情が商品になるとき」 で詳しく解説されています。
実際のところ、上記の職種以外でもこういうケースってありますよね?サラリーマンも十分に 「感情労働」 です。パワハラ上司の下で働く部下、ワンマン経営者の元で働く社員、部署間の強弱による理不尽・・・決して職種だけではくくる事ができないものです。
「これって、どっかで体験しているような・・・」
と思った方、するどいです。改めて「感情労働」の言葉の定義を読み直すと、「認知症の方に対する、模範となる対処法と一緒」 ということです。
認知症の方の作話や妄想、暴力であっても、話を聞いてあげて明るく振る舞う。本当は違うのに・・・、あぁ!ムカつく!って思っても、そこは感情を押し殺す・・・・「感情労働」 の定義と同じです。
でも、なんていうんでしょう・・・そのまま受け入れられない感がありませんか?受け入れられないのには、2つ理由があります。ひとつは、
「たとえ相手の一方的な誤解や失念、無知、無礼、怒りや気分、腹いせや悪意、嫌がらせによる理不尽かつ非常識、非礼な要求、主張」
認知症の人は “悪意や嫌がらせで、理不尽な事をするわけではない” ということです。悪意のあるクレーマーやパワハラ上司とは、次元が違うということです。認知症の介護は日々イライラしますが、これが根幹にあるから救われているのではないかと。
2つ目に 「労働」 という言葉。看護師さんやヘルパーさんはお仕事なので、お給料をもらいます。家族介護をしている人は、無償です。労働の対価である賃金がもらえないので、労働ではないのです。
それでもこの 「感情労働」 という言葉の意味を聞いて、家族介護している人は、
「あぁ~、わたしは感情労働しているよなぁ~」
って思っちゃいますよね?
すんなりは受け入れられない部分もありつつ、どこか当てはまる 「感情労働」 という言葉に反応してしまったので、記事にしてみました!
今日もしれっと、しれっと。
【2024年講演会予定】
10/19(土)宮崎県えびの市 → 講演の詳細・お申込みはこちら
私も現在実母84才 アルツハイマー認知症の 被害妄想による 暴力暴言に
悩んでいます
けいこさま
コメントありがとうございます!
妄想に関して、ブログでもいくつか書いてきました。
認知症の 「妄想」 は3種類ある!
https://40kaigo.net/care/alzheimers-disease-care/2450/
【認知症】 「人生歴」 を紐解くと、症状の原因解明ができる!
https://40kaigo.net/care/alzheimers-disease-care/2470/
妄想がどういったタイプで何が原因かというのは、上記でなんとなく突き止めることができます。うちの場合はデイサービスに行ってもらったことで、だいぶ被害妄想が和らぎました。妄想よりも刺激の強い役割を与えたことで、激減しました。たまに被害妄想はでますが、9割減にまでなって驚いています。