【60秒が30秒?】高齢者の時間感覚を知ると「認知症の見え方」も変わる

高齢者 時間感覚 早い 短い

先日もこのブログでご紹介した『認知症の取扱説明書(SBクリエイティブ)』という本の中に、時間感覚の話がありました。本の中で一番印象に残ったのが、実はこのお話です。

この知識が介護者にあれば、今までと違う介護の景色になるかなと思い、今日はご紹介します。

年齢による時間感覚の違いとは?

高齢者は若い人より、待てなくなっているのです。これは認知症というよりは、年齢による変化が主な原因となります。
引用元:認知症の取扱説明書(SBクリエイティブ)

60秒経ったらブザーを鳴らす実験で、20代はほぼ60秒だったのに対し、50代は40秒、70代は32秒、80代は28秒でブザーを鳴らすんだそう。

「え、そこまで時間感覚が違うの?」と衝撃を受けたのと同時に、認知症の母のある行動をすぐ思い出したのです。

認知症の母のずれた時間感覚

ウーーン、ガタガタガタガタ(←洗濯機の脱水の音)

いつまでも洗濯機の脱水が止まらないんだけど、壊れているんじゃないの、これ?
くどひろ
20年前の洗濯機だけど、故障もなくいつもどおり動いているけどね

このやりとりは4年以上続いているのですが、わたしはピック病の「脱抑制」が原因なのだろうと思っていました。脱抑制とは、ジッとしていられない、我慢できない、イライラするなど、抑制が効かない状態のことです。

しかし、高齢者の時間感覚が短くなっているのであれば、納得できます。70代の母は、1分をたったの32秒に感じているのなら、わたしよりも脱水時間を長く感じているはずです。

もうひとつは本の中にもありますが、高齢になると今がいつなのかという時間感覚が衰えるのだそう。こちらは認知症の症状を見ていればそう思えるのですが、認知症以外の高齢者の方もそうだということになります。

たしかに「まだなのか!」と待てずにイライラしている高齢者の方、結構見かけますよね。あれって、時間の感覚がそもそも若い世代と、高齢者で違うからということになります。

ジャネーの法則

同じような話で、年を取ると時間が経つのが早いとよく言われます。これを哲学者のポール・ジャネさんが、こう説明しています。

例えば、50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1ほどであるが、5歳の人間にとっては5分の1に相当する。よって、50歳の人間にとっての10年間は5歳の人間にとっての1年間に当たり、5歳の人間の1日が50歳の人間の10日に当たることになる。

0歳から20歳までと、20歳から80歳までの体感する時間が同じという話もあり、なるほどなと思いました。

洗濯機の脱水が終わらないと感じる母は、認知症によるもの、高齢者による時間の感覚の違い、この2つを考慮してあげる必要があるなと思いました。特に後者は知識としてなかったので、高齢者は時間の流れをより早く感じる ということを忘れないようにしたいと思います。

そして、ブログ読者の皆さんも時間の体感スピードは、歳を取るにつれ加速していくわけですから、今という時間をムダにはできませんよね?60秒を60秒と感じられる今のうちに、時間を有効に使いたい!そう思わずにはいられない話でした。

今日もしれっと、しれっと。

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ABOUTこのブログを書いている人

1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住の介護作家・ブロガー。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。なないろのとびら診療所(岩手県盛岡市)地域医療推進室非常勤。祖母(認知症+子宮頸がん・要介護3)と母(認知症+CMT病・要介護2)のW遠距離介護。2013年3月、2回目の介護離職、同年11月祖母死去。2017年悪性リンパ腫の父(要介護5)も別拠点で在宅介護したが死去。現在も東京と岩手を年間約20往復、書くことを生業にしれっと介護を継続中!連載:介護ポストセブン(小学館)、著書:がんばりすぎずにしれっと認知症介護 (新日本出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか