上田諭さんの著書 「治さなくてよい認知症」で、「ドリフターズ診療」 なる言葉を見つけてものすごく共感しました!
「ドリフターズ診療(ドリフ診療)」とは?
「8時だヨ!全員集合」のエンディングで、加トちゃん(加藤茶さん)がいう掛け声のような診療 ということです。この説明でも意味不明なので、加藤茶さんがどんな感じかを、ドリフ世代ど真ん中のわたしが解説します(笑)
(ババンババンバンバン♪) 「風呂入れよ!」
(ババンババンバンバン♪) 「歯磨けよ!」
(ババンババンバンバン♪) 「顔洗えよ!」
(ババンババンバンバン♪) 「宿題やれよ!」
(ババンババンバンバン♪) 「風邪ひくなよ!」
(ババンババンバンバン♪) 「また来週!」
小学校の頃見てましたよ~ これが病院の診療になると、
(ババンババンバンバン♪) 「食欲ありますか?」
(ババンババンバンバン♪) 「薬飲んでますか?」
(ババンババンバンバン♪) 「眠れてますか?」
(ババンババンバンバン♪) 「じゃ、また来週!」
(ババンババンバンバン♪) をいうお医者さんはいませんねー。要は「食欲ありますか?」「薬飲んでますか?」と質問をしながら、1分~2分で診療が終わってしまうという状況を 「ドリフターズ診察」 というんだそうです。
「食欲ないんです・・・」 と否定系の返事を患者さんがしたら、原因も聞かずに「じゃ、お薬だしましょう!」これも特徴です。
たくさんの患者さんが待っていますから、お医者さんも診察時間の効率化が必要なのは分かります。待ち時間は少ないに限るのですが、認知症の診察においてはそれはよくない!です。
我が家の 「待ち時間」 にまつわるはなし
先日、訪問看護師さんとのお話の中で、こんな事がありました。
看護師さん:「いつも、外来でお待たせしてすみません・・・」
わたしと母:「いえいえ、全く気にしてませんよ。待ち時間は苦になりません!」
ものわすれ外来での待ち時間は、本当に苦になりません。わたしはというと、病院内にある掲示板や配布物(認知症関係)を見まくります。その後、他の患者さんの様子をずっと見てます。
他の認知症の方とお会いする機会は、病院か認知症カフェしかないです。自分の家族以外と接するのは、とても勉強になります。ぱっと見分からない方がほとんどですが、看護師さんに激しく抵抗する方もいますし、奇声を発する方もいます。
わたしは 「ものわすれ外来は待たされないとだめ!」 と思っています。(大学病院で異様に待たされるのは別ですよ)認知症は本人の様子や、家族の話を聞いて診断するので、聴診器をあてて、体温測って、はい終了!ではないので、時間がかかります。
待たされなくてよかった~ という、ものわすれ外来は、それこそ 「ドリフターズ診療」 です。
(ババンババンバンバン♪) 「最近、もの忘れが気になって・・・」
(ババンババンバンバン♪) 「じゃ、長谷川式テストしましょう!」
(ババンババンバンバン♪) 「点数が悪いですね、じゃCT撮って!」
(ババンババンバンバン♪) 「認知症ですね、アリセプトだしましょ!また来週!」
ここまで極端なものわすれ外来はないと思いますが、わたしが最初に行った病院は、診察で2分で終わったんですよね・・・まさにドリフターズ診療な病院でした。
東京から深夜バスで移動して、朝一で病院に乗り込んで、ドリフ診療・・・だめだこりゃ でしたよ(笑)
本当にいい認知症の病院探しをする判断材料のひとつとして、この 「ドリフターズ診療」 かどうか というのを加えてみてください。よいお医者さんはCTやMRI、長谷川式テストだけでは分からない本人の様子、家族の会話に耳を傾けてくれます。
会話を聞くと、どうしても診察に時間がかかってしまいます。認知症診療は時間がかかるもの という意識を、わたしたちも持ってないといけませんね。
ご無沙汰してます!
これ、笑っちゃいました。義母のものわすれ外来がまさに?ドリフターズ診療でしたよ(笑)国立の総合病院の脳外科です。長谷川式テスト→18点→CT→アリセプト処方(笑)なんとなく腑に落ちなかったので、アリセプトは断って別の物忘れ外来に力を入れてる病院に連れて行きました。結局アリセプトは処方されましたが…(笑)でも、そこまでの過程が全然違う!安心して相談できました。病院選びは重要ですね?
1104yummyさま
ご無沙汰しております!
ありますよね、こういうドリフ診療って。1104yummyさんのように、次のもの忘れ外来(セカンドオピニオン)を探す方はいいのですが、
最初に行った病院のまま診療を続ける方は相当いると思います。
おっしゃるとおり、病院選びは重要です!!
くどひろさん、リリオやものがたり診療所でのお話ありがとうございました。
お陰様でものがたり診療所へ義母と一緒に通い始めています。
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少々時間があったのでWebをぐるり拝見しこの記事を読みました。腑に落ちました。
今年の初め(2016/1)から大学病院へ義母(80歳)に通ってもらっていました。
軽度認知障害と言われ、月1回ほどの状況報告に行っていましたが、通り一辺倒の診察に最近は不満を抱いていました。
くどひろさんの本を(2冊買って)読んだこともあり、先月病院を変更しました。
その先生のアドバイスが具体的で、次やらなければならないことが明確になりました。
今思えば前の先生はドリフターズ診療でした。その先生を責めるつもりはありませんが、家族は疑問が出たら、くどひろさんのサイトを参考にする必要がありますね。
「ドリフ診療」って、言いえて妙ですね。
くどひろさんの造語です?商標登録できそうだけど、それはドリフに悪いですね~(笑)
藤村さま
先日はご参加いただき、ありがとうございました!
2013年4月より先生にお世話になっていますが、やはりすばらしいです。家族が真剣だと、先生も真剣に向き合ってくれます。
ドリフターズ診療は、もともとあるコトバです。わたしが出会ったのは、上田諭先生の認知症の本です。意外と多いんですよ・・ドリフ診療。なのに、病院をなかなか変えられない方は、いっぱいいると思います。わたしのブログや本を読んで、藤村さんのように「はっ!」って気づいて頂けるといいのですが・・・ナラティブが大切な認知症診療では、もっとまずいのがドリフ診療です。
今後ともよろしくお願いします!