先日受けた、母の改訂長谷川式認知症スケール(認知症テスト)の結果をご紹介します。
11月30日開催の川崎市宮前区講演会では、このテスト結果を会場の皆さんにお見せしました。たくさんの方に集まって頂き、ありがとうございます!
認知症が確定した方の場合、30点満点で20点以上は軽度、11点~19点は中等度、10点以下は高度の認知症と言われています。
母の今年の結果は、昨年より3点悪化して12点。もうすぐ高度になりそうな勢いです。
改訂長谷川式認知症スケールの3年分の結果
No. | 質問 | 配点 | 母の答え(正解) | 2019得点(満点) | 2018得点(満点) | 2017得点(満点) | 設問の意味 |
1 | あなたは何歳ですか | 満年齢ないし呼び年齢 1点 1歳違い 0.5点 | 72歳(76歳) | 0(1) | 0(1) | 0(1) | 年齢 |
2 | ここはどこですか | 具体的名称 2点 抽象的名称 1点 | ものがたり診療所 | 2(2) | 2(2) | 2(2) | 場所の見当識 |
3 | 今は何月ですか | 1点 | ? | 0(1) | 0(1) | 0(1) | 日付の見当識 |
今日は何日ですか | 1点 | ? | 0(1) | 0(1) | 0(1) | 日付の見当識 | |
今日は何曜日ですか | 1点 | ? | 0(1) | 0(1) | 0(1) | 日付の見当識 | |
今年は平成何年ですか | 1点 | ? | 0(1) | 0(1) | 0(1) | 日付の見当識 | |
4 | これから言う言葉を繰り返してください。「桜、猫、電車」あとでこの三つの言葉を思い出してもらいますからよく覚えておいてください | 各1点 | 桜、猫、電車 | 3 (3) | 3 (3) | 3 (3) | 言葉の即時記銘 |
5 | 100-7は、それから7をひくと | 各1点 | 93、86 | 2(2) | 2(2) | 2(2) | 計算 |
6 | 682を後ろから言ってください。 3529はどうですか | 各1点 | 286 2953 | 2(2) | 1(2) | 2(2) | 数字の逆唱 |
7 | 先ほど引き算の前に覚えていただいた3つの言葉は何でしたか | 各2点 (ヒントありで各1点) | わからない | 0(6) | 1(6) | 2(6) | 言葉の遅延再生 |
8 | 野菜の名前を10個思い出してください。 | 5個0点、6個1点、7個2点、8個3点、9個4点、10個5点 | 人参、大根、セロリ、ホウレンソウ、キャベツ | 0(5) | 3(5) | 5(5) | 言語の流暢性 |
9 | お見せする5つの品物をよく覚えてください | 各1点 | 鉛筆、鍵、時計 | 3(5) | 3(5) | 1(5) | 物品記銘 |
合計 | 12(30) | 15(30) | 17(30) |
テスト結果の解説
自著にも書きましたが、母が認知症のテストを受ける際、いつも姿を隠してずっと聞いています。
今年は昨年より1点か2点くらい、点数は悪化すると予想していました。
テスト結果で一喜一憂しないという話は、いつも講演会でしていますが、3点悪化はやはり最初はショックでした。
12点まで来て、それでも遠距離介護は続けられかどうか、在宅介護は続けられるのか、点数のイメージ(認知症の進行が高度に近づいている)から、いろいろ考えてしまいました。
ショックだったのは1日くらいで、次の日には何とかなると思っていました。理由は、母のテストの間違い方です。
母の点数が今回悪化した箇所は、野菜を10個言う問いです。自宅でわたしとゆっくりやれば、絶対にできる問題です。そう考えると、野菜が10個言えれば昨年と点数は変わりません。
ただ、母の認知症の特徴を如実に現すポイントを、看護師さんがテストに書いてくれました。それがこちら。
正の字で、母が野菜を言った回数をカウントしてくれたのです!
うちの母は、短時間に同じことを何度も何度もいうとブログに書いてきましたが、モロにテストに出てしまいました。人参4回、大根4回、ホウレンソウ4回、キャベツ2回・・・あの短いテスト時間で、速射砲が出ました!
次の設問の5つの品物を見せて覚える問題で看護師さんから何が入っていましたか?と質問されても、「人参?大根?」とずっと言ってました。あの小さな箱に人参は入らん!とツッコミたくなるも、ジッと気配を消して隠れて聞いてました。
わたしが居ることが分かれば、振り向き兆候(認知症の人がテスト中に同伴者に回答を求めてくる)が出るため、気配は消してます。
その後の診察室でも、医師の前ではシャンとする母でしたが、わたしがいつもの感じをやってもらおうと、あることを言うと家のまんま再現してくれました。
テレビの芸能人が口紅を塗っていることを、一般人もそうだと思い込み、力士もそうだと言い張る母は日常ですが、まさか医師の前でもしっかりやってくれるとは!
診察室で再現できたのはよかったのですが、だからと言って何か手を打つわけではありません。そういう妄想が多くなってきたということを、医師と共有できてよかったです。
基本は「あ、そうなんだ」とか、聞き流したりしています。ただ、速射砲が発動されると、さすがにわたしも「それはないって」と言い返すこともあります。
同じことをいう感覚が本当に短い母が、認知症のテストでもしっかり結果を残したというお話でした。
今日もしれっと、しれっと。
似たゲームを思い出したのですが、子供の頃、人参・人参・牛蒡 /牛蒡・牛蒡・レンコン
みたいに、何回か繰り返しておいて、重複で言わないよう記憶して、違う根菜を言う(上記の場合)
そんな遊びをしたような記憶があります。
繰り返している間に次に言う 設問の野菜や物を考え、10個以上等になった時に
以前出た物を間違えて、2度目に出さないように、記憶するために繰り返しておく
子供さんが、何かを思い出す時も、今言った物を繰り返して次を思い出すをすると思います。
思い出そうとして連発しているのか?出てこないから連発するのか?
あのテストだけでは、その方の今まで生きてきた生活の差が邪魔する事もありそうですね
じーじょさま
そんな遊びがあるのですね!
母はこだわりが強くなっているので、ある引き出しに記憶が入ると、その引き出しばっかり開ける傾向はあります。
テストの点数で落ち込む介護者も多いので、あんまり落ち込んでも意味ないよ!というお話をブログや本や講演会でお伝えするようにしています。
お母様は素直にテストを受けられるのですね。うちの義母は定期検査が受けられません。MRIも認知症テストも「私をバカにしてるの⁉」と怒り出し、途中でやめざるを得ませんでした。
テストや検査のない物忘れ外来の診察時には毎回、先生の「どうですか?」に対して「別に・・・」とエリカ様状態の上、何を聞かれても「はーーー」と大きなため息。
義母に外で待ってもらって、私と先生が話をしていると勝手に一人で帰宅しようとする・・・。
受診は毎回私にとっても大きなストレスでした。
結局薬も止めてもらったので、ケアマネさんとも相談し、物忘れ外来の受診自体を止めました。
テストの点数や画像が無くても、病状が進行しているのは感じています。
平均寿命を超えた今、これでよかったと思っています。
おじゃるんさま
病院はイヤイヤだけど、お薬がなくなったとかいろいろ理由をつけるとついて来てくれます。
テストがあると事前に言うと大騒ぎになるので、ギリギリまで言わないようにして受けてもらってます。
ピック病の方でよく、テストや受診を嫌がる方がいらっしゃいますよね。
平均寿命がひとつの基準になる感じ、わたしも祖母のときに同じように感じました。母はあと13年ありますが、目標にしています。