「テレビに出てください」と言われたら、皆さんどうしますか?

カメラ撮影

もし、皆さんが「テレビに出てください」と言われたら、どうしますか?

わたしは基本的には「はい」と答えますが、数年前までは完全に「いいえ」でした。

多くの方がSNS、ブログなどで気軽に発信できる時代、急にこうしたオファーが来ることがあります。わたしもブログの発信や書籍がきっかけで、このブログお問合せ欄に突然連絡がきます。

取材クルーを街で見かけただけで、自分が取材されるわけでもないのに、なぜか遠回りしていました。それくらい、テレビの取材は受けたくないと思っていました。

今も基本は「いいえ」なのですが、担当ディレクターさんの企画や思いを伺ったり、わたしのブログや本をよく読まれて、下調べが入念だったりすると、「はい」に変わります。

一方で、「明日、新幹線一緒に乗ってもいいですか?」みたいなムチャぶりも結構あります。そうしたオファーは、ほぼ断ってます。

わたしのテレビデビューは、NHK『おはよう日本』でした。介護離職の講演で、内部用の撮影と思っていたら、全国に流れていました。あれはノーカウントとして、しっかりオファーを頂いて出演した最初のテレビはNHK『あさイチ』です。

当時は自分の活動を親族(妹も含む)に伝えておらず、顔がイラストで隠れている状態での出演でした。もちろん反響はありましたが、自分の顔が出ていないので、それほどでもありませんでした。

その後、NHK盛岡さんに2日間密着して頂きました。長時間テレビカメラと一緒で、あの経験のおかげで、カメラの前でも緊張しなくなりました。

自意識過剰なのかも

わずか数回のテレビ出演経験ですが、あることに気づきました。

それは、一般人がちょっとテレビに出たところで、誰も覚えてないということです。知人が映れば別ですが、皆さんはニュースで取り上げられた一般人の顔、覚えてますか?

NHKニュース7に出たからといって、街で声を掛けられるわけでもありません。元同僚や友人、親族から連絡が来るくらいです。今までの自意識過剰さが分かってから、カメラの前で緊張することがなくなりました。

著名な方は、何回も何回もテレビに出演するから知名度が上がるわけで、数回、数分の出演では何も変わりません。テレビに出られるのと、出続けるのでは、意味が全く違います。

それに年齢のせいなのか、恥ずかしさがありません。人生の半分を折り返しただろうし、たった1度の人生だし、明日にはどうなるかも分からないから、ま、いいか!という気持ちがあります。

生放送か、そうでないかの違い

テレビカメラを向けられても、その映像がそのまま放送されるわけではありません。編集作業があり、何日かしてから、映像として流れます。何時間、何日も撮影して、放送されるのは数分。ほとんどは映像として使われません。

そう考えると、ずっとカメラを向けられている最中に緊張していては、疲れます。使われるのは一瞬と考えれば、緊張感は薄れてきます。

スタジオで生放送なら、おそらく緊張すると思います。今1番緊張するのはラジオの生放送ですが、同じレベルで緊張するはずです。

コロナ禍の今、メディア取材依頼は本当に多いです。しかし、取材を受けても自分の仕事につながっていないので、とてもとても残念です。コロナでなかったら、仕事の幅はグッと広がっていたはずです。それでも、コソコソ介護帰省している人の力になれればと思い、できるだけ取材依頼を受けています。

ブログやSNSなど小さな発信であっても、何年も続けていると必ず誰かの目に留まり、「テレビに出てください」にまで発展することもあります。本当に継続は力なりで、瞬間的な山は作れなかったとしても、発信の蓄積は必ず誰かが見ています。

今日もしれっと、しれっと。


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【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか