「まん延防止措置」が適用されても止められない遠距離介護 

自分が住む東京都の一部でも、4月12日から「まん延防止等重点措置」が実施され、都府県境をまたぐ不要不急の移動の自粛も発表された。

コロナ禍に遠距離介護を3回経験して、介護は不要不急の移動には当たらないから大丈夫「とはならない」ことは理解している。なので、今回の遠距離介護も、ビジネスホテルでの健康観察をしっかりやって、必要最小限の外出のみでひっそりと生活する。

いつものことだが、自分が遠距離介護の準備をするタイミングと、こうした措置の実施のタイミングが全くあわないので、遠距離介護者としては本当に困っている。

遠距離介護の準備は2か月前には終わっている

前回の遠距離介護期間である1月4日~2月19日の間に、4月~5月の遠距離介護の予定はほぼ決まってしまっている。例えば、母の歯医者の予約は2月10日に、健康観察のためのビジネスホテル予約は2月17日に、東北新幹線のチケットは3月21日に取得済だ。

他にも、もの忘れ外来の予約、それに合わせた格安レンタカーの予約、庭の剪定依頼などなど、自分がいないと成立しない予定は、ほとんど2月中に決まっていた。

さらに今回の帰省では、母のワクチン接種が予定されていて、自分がいる間に1回目の接種があるかもしれないし、ないかもしれない。

急に移動自粛を求められても、残念ながら止められない。記事の写真はあえて「ドミノ」にしたのだが、まさにこんな感じ。わたしは2か月前から、ドミノを倒し始めているのだ。

これまでの遠距離介護と今回の準備の違い

今までは抗体検査キットを使って、自分の感染履歴をチェックしていた。しかし今回から、都内にあるPCR検査センターで、出発前に自主的な検査をする。ただ、いくら調べても変異株対応の記述がないので、おそらく従来型のPCR検査しかできないと思う。

仮に、変異株のPCR検査を受けたからといって安心ではない。3割程度の偽陽性、偽陰性の可能性も考慮しておくと、結局変異株対応してようがいまいが、ビジネスホテルでの健康観察はマストになる。

「変異株のほうが潜伏期間が長い、故に感染拡大のスピードが早くなっている」という厚労省のページの記述もある。となると本当はホテル滞在期間を8日にしているが、今後はもっと長いほうがいいのかもしれない。

変異株は、感染性の高さが感染可能期間の長さに起因する可能性が指摘されている(ウイルスが
検出されなくなるまでの平均期間が従来株より5日程度長いとする研究もある

引用元:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000766545.pdf

今回もホテルの部屋で生活を完結させ、ホテルの共有スペースは使わない。食事の調達は1店舗のみで対応する。これはこれで息が詰まる生活になるのだが、やむを得ない。前回は真冬で雪が多く、外を歩けなかったのだが、今回はとにかく歩くつもり。

もっというと、遠距離介護の予定を入れているということは、始めから感染リスクのある行動はできないので、オンライン以外で誰にも会っていないし、外食も全くしていない、移動はほとんど自転車か徒歩になっている。ずっと前からそうやって準備をして、コロナ禍の遠距離介護をやってきた。

これまでもコロナ禍の遠距離介護はすべてブログに書いてきたし、公開しないとブログの記事内容も違和感が出てしまうので、今回も公開する。だから、下手な行動はできない。

その次の帰省スケジュールも決まっていて、7月末。真冬の心配の次はやはり、母の熱中症が心配だ。穏やかな春と秋は滞在期間を1か月、夏と冬は1.5月で対応する感じに自然になってきた。

介護施設で面会できない方も多い中で、いろいろな不便がありながらも、3回目の遠距離介護が実現できているだけでも、ありがたいのかもしれない。PCR検査が陰性にならないと、これら予定がすべてふっとんでしまうんだようなあ……、さてどうなる?

音声配信voicyの最新回は、将来の介護が不安で仕方ない人に向けてやっておくべき2つのことをご紹介しています↓

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

「遠距離介護の準備は2か月前には終わっている」お気持ちわかります。
父の病院も、大抵2、3ヶ月後に次の予約が入りますので、それに合わせて計画を立てます。
私は、ホテルや新幹線の予約を取ることはないので(日帰りで車のため)恵まれていると思います。
最近、いつになれば普通に行き来できるのかなぁと思うことが多くなりました。

sakoさま

緊急事態宣言やまん延防止など、考える政府や都道府県も大変ですよね。
これといった正解がないまま遠距離介護をやってきましたが、もうちょっとだけガマンしないといけない感じですよね。
いつもありがとうございます!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか