認知症の母の朝4時の朝食作りを改善したシンプルな方法

母の起床時間が、どんどん早くなっています。

以前は居間で22時くらいまでテレビを見てから寝て、朝5時から6時くらいに起きる生活リズムでした。でも今は、わたしが2階の自分の部屋に移動する20時30分くらいには、もう寝ると言います。

寝る時間が早まると、その分起きる時間も早くなるので、朝4時起きが普通になってきました。

母が起きて、わたしの存在を冷蔵庫のホワイトボードと台所の皿の数で知り、そのまま朝食を作るこちらの記事を書いたのが10か月前です。

ホワイトボード
どんなに認知症が進行していても母親スイッチがしっかり入り、朝食を作ります。

もしホワイトボードや皿でわたしの存在を知らせなければ、わたしは東京に居ることになるので、母はてきとうに冷蔵庫にあるものを食べて、さっさと朝食を済ませてしまいます。

この朝食作りも認知症のリハビリの一環と考えていますし、親子一緒にご飯を食べることも同様に考えているので、できることなら朝6時くらいにご飯を作ってくれればいいのになと、ずっと思ってました。

それに朝6時に朝食を食べてもらったほうが、母の生活リズムもおかしくなりません。早起きし過ぎると、朝8時にアイスやお菓子など間食しますし、昼寝ならぬ朝寝もあって、すべてが少しずつ前倒しされていくのです。

そんな生活に自分を順応させることでなんとかやってきたのですが、さすがに朝4時起きがずっと続くと疲れます。なんとかならないか考え続けていたら、急にアイディアが下りてきて、一気に解決することになったのです。

シンプルな朝4時の朝食回避方法

なんでこんなシンプルな方法を思いつかなかったのかと、自分でもショックだったのですが、盛岡の2階の部屋に自分が居ることを母に知らせようとばかり、考え過ぎていたのかもしれません。

どう対処したかというと、シンプルにホワイトボードの文字の内容を下の写真のように変えました。

冷蔵庫のホワイトボード

before:「ひろ、2階にいます」
after :「ひろ、2階にいる(あさ6じまえに朝食作らないで)」

朝を「あさ」、6時を「6じ」など、最近は漢字が読めないので、かな表記が増えてきました。朝食は漢字のままなので、どういうこと?と思われるかもしれませんが。

あまりにシンプルすぎる方法なので、効果は謎でした。こうした貼り紙やホワイトボードの内容を読まないこともよくあるので、本当にお試し感覚でした。

ある日の朝4時、1階で母が何か始めたので、わたしは2階の自分の部屋のふとんの中からスマホで、1階の母の様子を見守りカメラで観察していました。すると、朝食を作る準備を始めたところで、ホワイトボードの文字が目に入り、それで止めてくれて、居間でテレビを見始めたのです!

1日だけかと思いきや、その後も母はしっかり待っててくれて、朝4時の朝食に付きあう必要がなくなったのです。朝食の時間は元に戻りましたが、寝る時間は早いままなので、起床時間までは変わりません。

音声配信voicyは、子どもが頑張って介護しているのに、なぜか親がどんどん不安になる理由のお話です。NHK Eテレ出演、再放送のお知らせもあります↓

今日もしれっと、しれっと。


にほんブログ村 介護ブログへ


【わたしの書いた最新刊】
東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

3件のコメント

おはようございます。

父のコロナワクチン接種のために帰省し一泊しました。
泊まることを知った父は、私の家族(家)のことを心配して、その日の夕食は大丈夫なのか聞いてきました。
Voicyの放送を聞いて思わず、うんうんと頷く内容でした。

くどひろさんが、お母様のためにホワイトボードを使っているのがヒントになり、我が家でも張り紙を使い効果が出ています。

sakoさま

親は自分がどんな状態であっても、子が心配なんですよね。
貼り紙効果、よかったです!
コンタクトの記事のコメントのみーしえるさまの話も参考になるかもです。(別の話題です)

コンタクトの記事のコメント欄を見ました。他の読者の方からのコメント嬉しいです!
私は、施設についてわからないことが多いので、いろいろ調べながら考えていこうと思います。
ありがとうございます!

因みに私も若い時はコンタクトを使っていましたが、目に負担がかかり頭痛が酷くなったので、現在はメガネで過ごしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか