50年後の認知症介護できっと困るであろうこと

先日、母のエンディングノートを読み直したのですが、

「棺には舟木一夫の写真集を入れて欲しい」

こう書いてありました。昔は熱狂的なファンでしたが、最近は購入した写真集も見てません。

だいぶ前に、舟木一夫さんのコンサートに2人で行った記事を書いたのですが、ファンの方が記事を紹介してくださったみたいで、このブログには少しだけ舟木一夫ファンがいらっしゃいます。

そのコンサートに行ったときに思ったことがメモしてあったので、記事にしてみました。

50年後の認知症介護は歌の選曲に困る?

舟木一夫の代表曲と言えば、高校三年生です。

「あ~か~い~、夕日が~、校舎をそめーてー♪」

という曲なんですが、冒頭部分だけ唄った舟木さんは、マイクを会場のお客さんにスーッと向けて、突然歌うのを止めてしまいました。すると、会場に集まった1000人を超える70代以上のお客様全員が、何も見ずに一斉に歌いはじめたのです。

「おぉ~、すげぇ~。みんな歌詞が頭に入っているんだ~」

心の中で、こう思いました。と同時に、こうも考えました。

「この光景って、あと何年続くんだろ?」

ネットもなく、みんなが同じ歌番組を見て育った今の高齢者の皆さんは、好きなスターも曲も絞ることができました。わたしが70代になったら、みんなで松田聖子さんの曲を歌うのかもしれません。女性は嵐ファンが多いので、嵐の曲になるのかもしれません。

ミリオンセラーというコトバは死語に近いし、ドラマ主題歌が必ずヒットするわけでもない時代です。いろんな歌手がいる、でも爆発的なヒット曲がなくて、歌番組もほとんどない・・・でも曲数はいっぱいあって、趣味嗜好が多様化しています。

こんな感じで50年が経過したら、施設でみんなで歌うとき選曲に困りそう・・・洋楽か邦楽かでも分かれるし、J-POPだけでなく、R&Bやゴスペル、ロックやメタルなど、それはもうキリがありません。

施設や病院で、ボランティアの方が演奏するときも、選曲に困るだろうな・・・もちろん代表曲はあると思いますが、間違いなく分散化されていますよね。舟木一夫のコンサートに行って、こんなことを考える自分もどうかしてますが、変な心配をしてしまいました。

認知症の根治薬が開発されていて、こんな心配は必要ないというオチが一番幸せです。

今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

主人は水森かおりさんの大フアン。ケアホームがお休みの時、また帰って来てからもDVDでお守りをしてもらっています。テレビの中へ来てくれているのだと信じています。幸せですよね

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(80歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて12年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか