家族5人で同居していた頃の遺産を介護にフル活用した話

今から40年前、岩手の実家には父、母、祖母、わたし、妹の5人が住んでいました。

キツイ性格で金にうるさい祖母と母は年中ケンカが絶えず、婿である父もその後家を出ていったので、結果的にはいい環境ではなかったのかもしれませんが、恵まれた環境で育ったと思っています。

亡くなった父は会社の同僚や部下を家に連れてきてお酒を飲むので、母は迷惑していました。認知症が重度まで進行した今でも相当恨んでいるようで、言葉はうまく出てきませんがとにかく料理を準備するのが嫌だったし、泊って布団を敷くのも面倒だったと言ってます。

母の失禁処理に遺産を生かす

最近のわたしの介護の悩みは、いかにして失禁処理をラクにするかです。それをヘルパーさんにも共有できればと思っています。

先日家の隅から、大失禁したあとの敷布団が出てきました。わたしも何度も干したり、スプレーしたりして使っていたのですが、ニオイもひどいし捨てることにしたのです。

ご卒業された敷布団

代わりに新しく布団を買おうか悩んだわけですが、わが家にはたくさんの遺産があります。お金ではなく、5人家族時代と父のお客さんのために用意していた大量の布団が、押し入れという押し入れに眠っていました。どうせ尿や便で汚すわけですから、これらの布団を活用しない手はないです。

古い布団を用意した

ただ妹が客間の布団はかび臭いからやめようといったので、わたしの部屋にあった布団をふとん乾燥機にかけ、タオルケットを洗濯して何組か使えるように用意をして、ヘルパーさんにも情報共有しました。

これで時間のないヘルパーさんも、最悪この布団を準備すれば母は眠れます。ふとんの打ち直しを調べたこともありましたが、どうせこれらの布団は捨てる運命にあったので、有効活用できてよかったです。

リハパンを履いてもらっても布団が汚れるので、布団のストックをどんどん出していきたいと思います。もちろん布団を濡らさない対策も今、必死で考えていてテストしているので、後日ブログで紹介できればと思います。

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今日もしれっと、しれっと。


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東京と岩手の遠距離介護を、在宅で11年以上続けられている理由のひとつが道具です。介護者の皆さんがもっとラクできる環境を整え、同時に親の自立を実現するために何ができるかを実践するための本を書きました。図表とカラーで分かりやすく仕上げました。

2件のコメント

はじめまして。いつも拝見しております。私も義父から始まり、実父、実母の介護を様々な場所ややり方、気持ちで経験しましたが、工藤さんは本当によくやられていると感心するばかりです。アイディアも考え方も素晴らしいです。ところで、お布団の失禁対策の防水シートは使われたのでしたでしょうか?
そのようなものでは、役に立たなかったのでしたでしょうか?ありとあらゆることをされているので、失礼でしたらごめんなさい。まだまだ寒い時期です。ご自愛ください。

小畑さま

いつもブログを読んで頂き、ありがとうございます!

はい、防水シーツを使ったうえでの話です。リハパンを履いてもらってもシーツを使っても、想定外の動きで汚れてしまいますし、ひとり暮らしなのでリハパンを履かない、シーツではなくタオルケットの上で寝るなど、なかなかうまくいかないのでこういう話になっています。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。
2012年から岩手でひとり暮らしをするアルツハイマー型認知症で難病(CMT病)の母(81歳・要介護4)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて13年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。

【音声配信Voicyパーソナリティ】『ちょっと気になる?介護のラジオ
【著書】親の見守り・介護をラクにする道具・アイデア・考えること(翔泳社)、親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)、医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか