最近、認知症の母の食事に変化がありました。
これまでの食事の工夫は、複数の皿に盛りつけずにできるだけワンプレートにして、母が混乱しないようにする。食べ終わった皿を、都度片づけるなどはやってきました。
食事中にテレビを消す
食事中に、テレビを消してみました。
母の食事を見ていると、テレビに集中する時間に箸が止まります。そして番組の内容についての質問をわたしに繰り返しするのですが、例えば、
わたし、ここ行ったことある!
この人、盛岡の人でしょ?
だいたい、この3つの質問が繰り返されます。めざましテレビのスポーツコーナーの中継を見て、生放送かどうかを質問されます。めざましテレビ自体は朝の放送、スポーツの映像は前日夜の開催、ここが理解できないようです。
母と一緒のときだけ、めざましテレビを見ています。番組の雰囲気が柔らかいので、認知症の母でも理解できる気がするからです。
テレビに映る行ったことない地域に対して、ほぼ岩手から出たことのない母がここに行ったと言います。またアーケードの画が出るとすべて、盛岡にある肴町のアーケードと言います。テレビに出ているアナウンサー、タレントさん、スポーツ選手の多くが盛岡出身になります。
1シーンごとに話しかけられるし、番組を見ている間は箸が止まるので、当然母の食事は進みません。わたしは早々に食べ終わってしまい、あとは母の食事が終わるのを待つ状態になります。
認知症介護中の食事介助5つのルール
認知症の人の中には、マルチタスク(並行作業)ができなくなる場合がありますが、母もきっとこれなんだろうと理解しています。テレビを見ながら、同時にご飯が食べられないようです。
わたしが食事を終え、そのまま皿洗いを始められるといいのですが、母親として自分が洗わないといけない気持ちはしっかり残っているので、食事を途中で止めて皿洗いをやろうとします。
そうすると今度は食事量が足りなくなり、1時間くらい経って「わたしご飯、食べたかしら?」と言うのです。完食しても言いますが、言う確率は減ります。
本当は主要な皿や鍋などを洗って、布団を上げ、ポータブルトイレの掃除をするなど、朝のお仕事を済ませたいのですが、こういった理由から母が食事が終わるまでは席を立ちません。
テレビを消すと、目の前の食事に集中してくれるので、あまりに食事が進まないときは電源を切って、可能な限り完食を目指すようになりました。
朝の目玉焼きはまだいいのですが、昼の日本そばなどは時間が経ち過ぎると、そばが伸びてしまいます。麺類の日は最初からテレビを消して、半分以上食べ終わったらテレビをつけてます。
認知症の母の食事介助がラクになる5つの方法
- 食事の皿数は可能な限り減らして、ワンプレートを目標にする
- しょうゆなどの調味料は、かけて提供する(何度もかける可能性がある)
- 食後の果物やデザートは、主食を食べ終わったあとに出す(先に食べて主食を残す)
- 食べ終わった皿の片づけに夢中になるので、都度回収する
- 食事が進まないときは、テレビを消す
認知症の進行とともに、項目が増えています。いずれもマルチタスクにならないようにして、食卓をシンプルにする工夫です。それでも自分自身で箸を持って、自立してご飯が食べられるだけ幸せだと思ってます。
最近はわたしがひとりで食事をしたり、東京の家で食事をしたりすると、いつもの数倍ご飯がおいしいと思うようになりました。何も気にせず、食事できますからね。
慣れてしまえば介護ストレスはそれほどないのですが、母と一緒に食事をしないだけで数倍おいしいと感じてしまうのは、見えないストレスのある証拠でしょうね。
音声配信voicyの最新回は、母の認知症のテストが6点だったことを受けての気持ちです↓
今日もしれっと、しれっと。
なに、これ今やっているの?