認知症介護における食事のワンプレート化を意識した日のこと

認知症の方のために、食事をワンプレートで提供するという知識はあったものの、認知症の母は正直まだ先かなと思っておりました。しかし、一気にワンプレート化が現実に思えた、ある日の夕食の模様をご紹介します。

ある日の夕食の献立

  1. ご飯
  2. 豆腐となめこの味噌汁
  3. 餃子(味の素の冷凍)
  4. ほうれん草のおひたし
  5. 漬物

最近、母には味噌汁とほうれん草のおひたしのみを作ってもらってます。昼食の日本そば、ラーメンに関しては、サポートのうえでしっかり調理をお願いしていますが、夕食は昼食より品数も増えて、わたしも同時に調理が必要なので、こういうカタチに落ち着きました。

味噌汁の材料とほうれん草を同時に並べると、ほうれん草の味噌汁になってしまうので、まずはほうれん草を茹で終わったあとで、味噌汁の材料を並べるようにしました。複数のことを同時にお願いすると、混乱するようになりましたね。

夕食を食べる母を観察していると、餃子につける酢醤油の入った小皿に、すでにしょうゆのかかったほうれん草のおひたしをつけて食べようとします。「ちょっと待った!もう、しょうゆかかってる!」と言うと、今度は餃子にしょうゆをつけずに食べようとします。

いずれの食べ方も生死に関わるわけではないので、母の自由に食べてもらってもいいのですが、ひとりで生活しているときは、こうした食べ方が日常になっているはず。せめてわたしが帰ってきたときくらいは、普通の食べ方をしてもらおうと思うので、つい言いたくなります。

結局、専用のたれが入った小皿が多くなってしまうと、母はどの皿のたれをつけて食べたらいいか理解できなくなるのです。なので、わたしが考えている夕方の献立の皿数は、極力減らすようになりました。

例えば餃子だったら、小皿に入った酢醤油を餃子にかけて提供して皿数を減らし、できるだけ混乱しないシンプルな形で出します。しゅうまいも同様で、魚の皿に一緒に乗せて出す日もあります。

先日もわたしが外出する必要があった日に、母にカレーライスを食べるよう、置き手紙をして家を出ました。カレーライスをレンジで温められないので、鍋にルーを残してガスで温めてもらい、ご飯は別で炊いておいて、福神漬も近くに置いて、セットは完璧なはずでした。

しかし外から早く帰ってきたところ、母はご飯を半分だけ食べていて、おかずはざらめせんべい、アイス、福神漬。カレーのルーはなぜか、皿に移して冷蔵庫に入ってました。カレーライスの食べ方を忘れていて、若干固まっていたルーはなぞの物体に見えたのかもしれません。

混乱のない食卓づくりのため、ワンプレートで完結するシンプルな食卓をいよいよ意識する段階に入ってきました。いうか、すでにシンプルな食卓になっていて、麻婆豆腐などは麻婆丼にするなど、どんぶり化も同時に進んでいます。

さすがに要介護3にもなると、これまで書いてきたブログ記事よりも一歩踏み込んだ介護の内容が多くなっていきます。もうすぐ10年目に突入するこのブログには常に事実を書いてきたので、これも事実として受け入れて頂ければと思います。

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ABOUT US
工藤広伸(くどひろ)介護作家・ブロガー
1972年岩手県盛岡市生まれ、東京都在住。岩手にいる認知症&難病(CMT病)の母(79歳・要介護3)を、東京からしれっと遠距離在宅介護を続けて10年目。途中、認知症の祖母(要介護3)や悪性リンパ腫の父(要介護5)も介護し看取る。認知症介護の模様や工夫が、NHK「ニュース7」「おはよう日本」「あさイチ」などで取り上げられる。Voicyパーソナリティ『ちょっと気になる?介護のラジオ』。認知症ライフパートナー2級、認知症介助士。
【著書】親が認知症!?離れて暮らす親の介護・見守り・お金のこと(翔泳社)ムリなくできる親の介護(日本実業出版社)医者には書けない! 認知症介護を後悔しないための54の心得 (廣済堂出版)ほか